大規模オーバレイネットワークは、ネットワーク管理コストの低減が必要となる。そこで、本研究課題では当該領域の計画班と共同し、分散モニタリングによる異常トラヒックの自動検知および自律制御セルフヒーリング手法を確立することを目的としている。 平成20年度は、セルフヒーリング手法を確立するため、異常トラヒックの検出・自動シェーピング技術の開発・評価を実施する。 (中村)異常トラフィックの検出アルゴリズムの開発・評価 前年度までに開発したモデルを用いて、異常と検出されたトラヒック(以下、異常トラヒック)を弁別し、検出するアルゴリズムを開発・評価する。長期間の計測結果を統計処理することにより、ある時刻において想定されるパケット特性と異なるトラフィックを弁別する。そのたあの弁別アルゴリズムや閾値を開発した。異常検出をするためには、トラヒックの異常を定義が必要であった。そこで、アルゴリズムの評価の段階で、異常検出とされたトラヒックを分析し、それが異常検出の定義として妥当かどうかを検証した。 (飯田)異常トラヒックの自動シェーピングアルゴリズムの開発・評価 異常トラヒックが大きなボリュームを占めることにより、正常トラヒックに与える悪影響が甚大となる。そこで、トークンバケットシェーピングなどにより、異常トラヒックのボリュームを制限する。そのためには、シェーパのパラメータ設定(バケツの深さ、平均スループットなど)を行うアルゴリズムが必要となる。また、トラヒックの種類によっては、それらのパラメータを変更する必要がある可能性がある。どのよりなシェーピングアルゴリズムおよびパラメータ設定が妥当かを、シミュレーション評価によって検証し、中村の異常トラフィック検出アルゴリズムと組み合わせて利用することにより、セルフヒーリングアルゴリズムを確立した。
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