研究概要 |
本研究の目的は、探索・学習などの「探索的検索(Exploratoly Search)」の過程を支援する多次元ファセット検索のプロトタイプシステムMew(Multi-faceted Exploratoly search system for Web resources)を、メタデータや特定の分類体系を想定しない大規模なコンテンツ集合の検索に適用することである。 今年度は、a)探索における利用者の認知過程を調べるとともに、b)あらかじめメタデータが付与されていないコンテンツへのファセット検索を適用するための手法の精緻化、c)画面インタフェースの改善、d)検索エンジンの改良について研究をすすめた。 Mewの特徴は、トピック、時間、空間、データの種類などの多次元ディレクトリとコンテンツの内容とベストマッチ検索を組み合わせ、(1)ナビゲートnavigate, (2)ビューview, (3)サーチsearchをシームレスに、繰り返しできることである。ディレクトリをたどる「ナビゲート」は、検索語を思いつかない場合や不慣れな分野の探索を支援する。「ビュー」は検索結果を運ディレクトリのクラスに分類して表示し、検索結果を多側面から分類し、関心の明確化、比較、分析などを支援する。「サーチ」は任意の検索語や文、ディレクトリのクラスラベルをキーとできる。 Mewでは、また、検索結果に適応して、下位分類や探索プランに相当する「視点」を、自動表示する。これは、利用者に1)検索ニーズの具体化、分析視点や追加検索語の提案、想定外の関係への「気づき」を促し、2)探索の指針など探索を導くメタ認知を与える。たとえば、食べ物なら、料理法、季節、産地や入手法、栄養など ; 旅行を計画するなら、行き先、気候、見所、費用、飛行機・列車、ホテル予約など ; ビジネス戦略を考えるなら、シード、市場ニーズ、コスト、他社競合、利益予測など、というように各トピックに応じたサブカテゴリが「視点」として提示され、検索結果を整理したり、探索すべき方向を示唆する。認知実験では、利用者がこのような視点を想起できるかどうかがExpertiseと深くかかわっていることが示唆された。
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