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2007 年度 実績報告書

金属交換反応に基づく複合型元素化合物の創製と触媒的有機合成反応への利用

研究課題

研究課題/領域番号 19027010
研究機関筑波大学

研究代表者

三浦 勝清  筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (20251035)

キーワードビニルシラン / ビニル化 / 白金触媒 / ビニル白金 / 白金カルベン / 加アルコール分解
研究概要

1.ビニルシランの求核付加反応:以前の研究により、触媒としてPtCl_2-LiIを用いると、芳香族アルデヒドに対するビニルシランのビニル化反応が効率よく進行することがわかっていた。しかし、この触媒系は脂肪族アルデヒドのビニル化には有効ではない。種々検討した結果、PtCl_2-MnI_2が脂肪族アルデヒドのビニル化に有効であることがわかった。また、ヘテロ官能基を有するビニルシランについて検討した結果、ヘテロ官能基が存在しても本ビニル化反応が効率よく進行することがわかった。以上のように、本反応はアルデヒドのビニル化法として極めて有効である。アセタールやα,β-不飽和ケトンのビニル化も低収率ながら進行した。重水素標識実験や2種類のビニルシランを用いたクロスオーバー実験などの結果から、本反応は、炭素-ケイ素結合への2価白金種の挿入反応、ビニル白金中間体のβ位での求核付加反応、白金カルベン中間体の1,2-水素移動を伴う脱メタル化を経由すると考えられる。なお、ビニルスタンナンによるビニル化についても検討したが、アルデヒドとの反応は全く起こらなかった。
2.ビニルシランの加アルコール分解:種々の白金塩を用いてビニルシランの加メタノール分解を行った結果、PtI_4を用いるとα位にメトキシ基が導入されたメチルエーテルが中程度の収率で得られた。エタノールや2-プロパノールを用いても同様の反応が進行し、エーテル類を与えた。収率改善のため、触媒系および溶媒について、さらに検討する必要がある。
3.アリールシラン、アリールスタンナンの求核付加:種々の白金塩を触媒として、アリールシラン、アリールスタンナンとアルデヒドとの反応を行ったが、付加体は全く得られなかった。ハロアルカンとの反応では、Friedel-Crafts型の反応が進行し、低収率ながらアルキルアレーンを与えた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Platinum(II)-Catalyzed Annulation of 5-Methyl-5-hexen-1-ols with Aldehydes2008

    • 著者名/発表者名
      三浦勝清
    • 雑誌名

      Chemistry letters 37

      ページ: 270-271

    • 査読あり
  • [雑誌論文] "Silicon Lewis Acids" 469-5162008

    • 著者名/発表者名
      三浦勝清
    • 雑誌名

      New Acid Catalysis in Modern Organic Synthesis, Wiley-VCH

  • [学会発表] 2価白金触媒によるビニルシランと炭素求電子剤の反応2007

    • 著者名/発表者名
      三浦勝清
    • 学会等名
      第54回有機金属化学討論会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2007-10-28
  • [学会発表] Platinum(II)-Catalyzed Addition of Vinylsilanes to Carbon Electrophiles2007

    • 著者名/発表者名
      三浦勝清
    • 学会等名
      International Conference on Asymmetric Organocatalysis
    • 発表場所
      大津
    • 年月日
      2007-05-28
  • [学会発表] 2価白金触媒を用いるビニルシランとアルデヒドの反応:適用範囲と反応機構の検討2007

    • 著者名/発表者名
      三浦勝清
    • 学会等名
      日本化学会第58春季年会
    • 発表場所
      東京・池袋
    • 年月日
      2007-03-26

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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