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2007 年度 実績報告書

置換活性遷移金属と有機典型元素配位子から構成される新構造ハイブリッド多核錯体

研究課題

研究課題/領域番号 19027018
研究機関東京工業大学

研究代表者

小坂田 耕太郎  東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (00152455)

キーワードパラジウム / 白金 / クラスター / 有機ケイ素配位子
研究概要

Pd4型の平面四核錯体を新たに合成した。これらの錯体の二次元機能を検討するために、各種錯体の合成法の開発を積極的におこなった。シリルパラジウム錯体のホスフィン支持配位子の置換反応などによって各種の錯体が生成すること、反応条件の調整によって目的とする平面錯体をほぼ理論収量に近い収率で得られることがわかった。これらの二次元機能を制御するために、白金を含む錯体を合成し、その電子状態について実験的に検討した。その結果、一部のパラジウム原子が白金に置換した形の新しい錯体を得ることができた。
二次元構造が連なった鼓状構造を有する八核パラジウム錯体の合成を行なった。四核パラジウム錯体に一級シランを添加し、系を放置すると、橋かけ有機ケイ素配位子がすべて添加シランに交換され、新しい八核パラジウム錯体が生成した。この錯体は溶液中では動的な挙動をNMRのタイムスケールで示すことがわかった。この挙動は八核錯体の平面構造をひきよせる橋かけジホスフィン配位子の結合様式が溶液中きわめてすみやかに変化しているためであると結論づけることができた。これらの結果は、新規な平面四核錯体構造の安定性が共存配位子の種類によって大きく変化すること、熱力学的な支配で安定性が左右されているため、反応条件を調節することによって、生成物分布を制御することを示している。
このように得られた基礎的知見をもとに、本領域に新たに貢献する研究を推進するため、他の支持配位子を有する多核錯体の合成をおこなった。現在、前駆体の合成まで成功しており、今後の研究で目的とする平面型多核錯体の合成および構造解析をおこなうべく予備実験をおこなっている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Preparation and MMR Studies of Palladium Complexes with a Silsesquioxanate Liffand2008

    • 著者名/発表者名
      Makoto Tanabe, Kohji Mutou, Neli Mintcheva, Kohtaro Osakada
    • 雑誌名

      Organometallics 27

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dipalladium Complex with Bridging Silylene Ligands, [{Pd(dmpe)}_2(μ-SiPh_2)_2], Formed via Dimerization of Bis(silyl)palladium Complex2007

    • 著者名/発表者名
      Makoto Tanabe, Akane Mawatari, Kohtaro Osakada
    • 雑誌名

      Organometallics 26

      ページ: 2937-2940

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Arylpalladium Complexes with a Silsesquioxanate Ligand. Preparation and Structures in Solid State and in Solution2007

    • 著者名/発表者名
      Neli Mintcheva, Makoto Tanabe Kohtaro Osakada
    • 雑誌名

      Organometallics 26

      ページ: 1402-1410

    • 査読あり
  • [学会発表] Hexagonal Tetrapalladlium Clusters with Bridging Silvlene or Germylene Ligands2007

    • 著者名/発表者名
      Makoto Tanabe, Naoko Ishikawa, Akane Mawatari, Kohtaro Osakada
    • 学会等名
      XVIII EuCheMS Conference on Organometallic Chemistry
    • 発表場所
      Sofia (Bulgaria)
    • 年月日
      2007-09-03

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2021-08-20  

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