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2007 年度 実績報告書

ジフェニルジホスフェン類の光化学的挙動に関する理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19029004
研究機関秋田大学

研究代表者

天辰 禎晃  秋田大学, 工学資源学部, 准教授 (90241653)

キーワード非経験的分子軌道法 / ジフェニルジホスフェン / 高周期元素不飽和結合 / 分子設計 / π電子共役系 / 電子励起状態 / アゾベンゼン
研究概要

電子励起されたπ共役分子は、多様な光化学的挙動ゆえ、分光学、光機能性材料工学、光生物学など広範な研究分野から興味がもたれているが、そのπ共役分子の光化学的挙動には合理的に解釈されていないものも多い。
本研究課題では、以前は基底状態における結合形態の存在すら疑われていたリンによる不飽和結合を有する分子であるジフェニルジボスフェン(DPP)の電子励起状態の性質を高精度の非経験的分子軌道計算により検討した。その結果、DPPの類縁化合物でアゾベンゼンとフランクーコンドン領域においては電子励起状態的な類似性が見られた。すなわち、S_<1>はn-π^*、S_<2>はπ-π^*状態である。しかし、フェニル捩れに関するポテンシャル面に関しては対照的な形状をしていることが分かった。アゾベンゼンに関しては、C_<2h>構造がS_1、S_<1>のいずれの場合にも安定であるが、その安定構造近傍でのポテンシャル面の曲率はS_<1>の場合の方が大きい。これは、n-π^*励起によって、フェニル基とアゾ基を連結する部分のπ結合性が増大したことによる。一方、DPPに関しては、S_0のポテンシャル面は約30°に極小値を持つdouble well形状をとるが、S_<1>はフェニル基がほぼ90°に捩れた構造が安定となることが分かった。以上のことから、P=PとN=Nの二重結合は同族元素によるπ結合ということに起因する類似性を有する一方、π結合を構成する元素の電気陰性度や原子半径に起因する相違性があることが分かった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Theroretical Prediction of the S_1-S_0 Internal Conversion of 6-Cyanoazulene2007

    • 著者名/発表者名
      Yoshiaki, Amatatsu
    • 雑誌名

      Journal of Physical Chemistry A 111

      ページ: 5327-5332

    • 査読あり
  • [学会発表] THEORETICAL STUDY ON THE S1-S0 INTERNAL CONVERSIONS OF AZULENE AND ITS DERIVATIVES2007

    • 著者名/発表者名
      Yoshiaki, Amatatsu
    • 学会等名
      20-th Colloquium on High Resolution Molecular Spectroscopy
    • 発表場所
      Dijon(France)
    • 年月日
      20070900

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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