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2008 年度 実績報告書

データ同化による海洋表層循環変動のモニタリングと化学・生物過程とのカップリング

研究課題

研究課題/領域番号 19030009
研究機関京都大学

研究代表者

石川 洋一  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (70335298)

研究分担者 池田 元美  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (50261227)
淡路 敏之  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40159512)
キーワード海洋科学 / データ同化 / 海洋大循環モデル / 海洋生態系モデル / 統合データセット
研究概要

海洋表層における、生物化学過程に関連した物質循環を現実的に再現するために、海洋大循環モデルと生態系モデルを結合した数値モデルを構築した。生態系モデルの再現性は物理循環場がいかに現実的な場を再現しているかに多いに影響されるため、このシステムでは物理循環場としてデータ同化によって作成された再解析データセットを用いることとした。その結果、特に混合層深の再現性向上に伴い、栄養塩の下層からの供給量が改善され、生物生産量の再現性が向上した。とくに、北太平洋亜寒帯域において10年スケールの変動であるPacific Decadal Oscillationと関連した生物生産の変動が顕著に見られるようになり、過去の観測的な知見と矛盾しない結果を得ることができた。
しかしながら、このモデルは陽に中規模変動を再現しないモデルであるため、黒潮続流域など活発な中規模変動が見られる場所での物質輸送については不明な点がまだのこっている。そこで、この量を見積もるため、バルク混合層モデルを用い、また海面付近の炭酸塩と二酸化炭素分圧データを同化して、混合層以深の炭酸塩濃度を随伴方程式法を用いて求めた。北緯40度の海域には35度と45度の水塊が中規模渦となって混在していると仮定して、中規模現象の影響を見たところ、亜表層の全炭酸は、中規模現象を考えない場合より、日本東岸近くで高く、その東側の混合水域で低くなり、二酸化炭素分圧は50ppm程度変わった。今後、より高精度の解析を行うためには高解像度海洋モデルに生物地球化学過程を取り込み、中規模現象の影響も考慮した物質循環過程を調べることが必要であろう。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] High-resolution synthetic monitoring by a 4-dimensional variational data assimilation system in the northwestern North Pacific2009

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa, Y. , T. Awaji, T. Toyoda, T. In, K. Nishina, T. Nakayama, S. Shima, S. Masuda
    • 雑誌名

      J. Marine System

      ページ: 10. 1016/1. jmarsys. 2009. 02. 016

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The role of westerly wind bursts in the ENSO recharge paradigm2009

    • 著者名/発表者名
      Masuda, S. , Y. Shikama, T. Awaji, Y. Ishikawa, and T. Toyoda
    • 雑誌名

      J. Geophys. Res 114

      ページ: 10. 1029/2008JC004953

    • 査読あり
  • [学会発表] IMPACT-OF 4D-VAR ASSIMILATION PRODUCTS ON BIO-GEOCHEMICAL SIMULATION2009

    • 著者名/発表者名
      Y. Ishikawa
    • 学会等名
      Final GODAE Symposium 2008
    • 発表場所
      ニース、フランス
    • 年月日
      2009-11-14
  • [学会発表] アンサンブルベースの4次元変分法2009

    • 著者名/発表者名
      石川洋
    • 学会等名
      日本海洋学会秋季大会
    • 発表場所
      広島県呉市
    • 年月日
      2009-09-26
  • [学会発表] 北太平洋の炭酸系分布と海面CO2フラックスに中規模変動は重要か2008

    • 著者名/発表者名
      池田元美、山田あけみ
    • 学会等名
      日本海洋学会春季大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-03-27

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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