研究概要 |
平成19年度に導入した高速液体クロマトグラフ用高感度蛍光検出器により、従来用いていた検出器よりも2倍以上の検出感度の工場が見られたのでこのシステムを用い、平成20年6月および10月に沖縄辺戸岬の国立環境研究所大気・エアロゾル観測ステーションにおいてそれぞれ約,週間ずつ、大気中の過酸化物の観測を行った。平成19年度に行った観測と合わせて、春、夏、秋の観測が行えたことになる。過酸化物の捕集にはガラス製のミストチャンバーを用い、水溶液に捕集した後、高速液体クロマトグラフを用いて分析を行った。エアーポンプを用いて空気を捕集し、湿式ガスメーターで空気の捕集量を測定した。分析は高速液体クロマトグラフを用いたポストカラム蛍光法で行った。また、沖縄辺戸岬大気・エアロゾル観測ステーションには数多くのエアロゾルに関連する測器が集約されており、ほぼ通年で稼働している。これを利用することにより、種々のデータとつきあわせた解析が可能となっている。 6月の観測では気温と過酸化物濃度は逆相関的な関係を示したのに対して、10月の観測では気温と過酸化物濃度は正の相関を示した。都市域では正の相関が見られることが報告されているので、前者は長距離輸送の影響が強く表れたものと考えられるが、後者には都市域の影響の可能性がある。辺戸岬における長距離輸送の影響とローカルエミッションの影響について更に詳細な検討を行う必要性が確認された。
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