研究課題
平成19年度の主な成果を以下に記す。1.チューブ状ジャイアントベシクルが静磁場下で示すモルフォロジーリン脂質からなるチューブ状ジャイアントベシクル(tGV)に、コラーゲン繊維(Col)を内封した試料Col-tGVが、静磁場下(B=14T)でエラスティカを形成することを明らかにし、本研究結果を論文として上梓した[1]。さらに、磁場印加直後のチューブの変形過程をリアルタイム観測するため、東大工学部岸尾研所有の10T超伝導マグネジト(ボア径15cm)、千葉大工学部岩坂研所有の14T超伝導マグネットを用い、マイクロスコープカメラによる観測システムを立ち上げつつある。また、磁場に対してより強い応答性を示すと考えられる常磁性ラジカル部位を有する両親媒性分子PyC8TOVを新規に設計・合成し、その溶液中および、膜中での性質について検討を行った。〔日本化学会第88春季年会 3K4-12発表、論文投稿済み〕。1. 化学反応により自走する油滴オレイン酸を溶かした塩基性水溶液(pH11)中に形成された無水オレイン酸の直径約100μmの油滴が、自力で走行を開始することを見出した。本系の特徴は、i)油滴内部での無水オレイン酸の加水分解反応と連動して対流が生じ、これが加水分解反応を促進する、ii)分解反応生成物であるオレイン酸が対流を促進する、という正のフィードバックループを実現している。さらに、高pHへの走化性を示すことも見出された[JACS.2007]。2. 時間発展するソフトマターの集団計測ジャイアントベシクルのフローサイトメトリー法による集団計測により、膜ダイナミクスの解析法を確立し、蛍光性両親媒性ニコチンアミド化合物とその還元体からなるハイブリッドベシクルが、余剰成分を放出し、ベシクル構造としてより安定な組成へと移行する過程を追うことに成功した[Soft Matter 2007]。
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