| 研究概要 |
マイクロ波(MW)-ポリオール法により新規炭素担持材料であるカーボンナノチューブおよびそれより直径が太い炭素ナノ繊維上へのPt系触媒の担持と燃料電池評価のための電気化学分析を行うことが本研究の主要な目標であり、本年度は上記研究に関連する下記のような様々な実験を実施した。
1)MW-ポリオール法やオイルバス加熱法を用いてPt,Au,Au/Ag系ナノ微粒子の合成実験を実施し、新規形状のPt,Au, Au/Agナノ微結晶の合成に成功した。Ptナノ微粒子の合成ではPt原料であるH_2PtCl_6にNaNO_3を添加し、その濃度比を変化させることで新規樹枝状Ptナノ微粒子が合成可能なことを見出した。特に5角形樹枝状Ptナノ微粒子がデカヘドロン微粒子の角部分が成長して生成することを高分解能透過型電子顕微鏡像から明らかにした。
2)金属触媒の新規担持炭素材である単層カーボンナノチューブ(SWNT)の合成に関する研究を行った。今回は大量合成を目指して熱CVD中の水の添加効果やSWNTのサファイア基板上での配向成長機構をラマンスペクトルのその場観察から追跡・可視化に成功した。
3)MW-ポリオール法を用いて炭素ナノ材料表面上へ燃料電池触媒であるPtの担持を試みた。H_2PtCl_6・6H_2OをPt原料としてPt触媒の担持を原料濃度、加熱時間、KOH添加によるpH値などの実験諸条件を変化させて行い、炭素材料上での担持状態や粒径分布をTEM観察より評価した。その結果、MW-ポリオール法の方が従来のオイルバス加熱と比較して高分散でPtナノ微粒子を炭素材料上での担持可能なことが判明した。ケッチェンブラック上に担持したPt触媒の電気化学特性は田中貴金属社から市販されているKB担持Pt触媒とほぼ同等の燃料電池特性を有していることがわかった。
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