研究プロジェクトの目標は、クォークとレプトンのフレーバー構造を明らかにし、その起源を解明することである。最近の精密なニュートリノ実験データは、ニュートリノのフレーバー混合がTri-bimaximal mixingに近いことを示した。このデータに基づき、ニュートリノ質量行列のフレーバー構造の精密分析をおこなった。また、理論を超対称性化し、超対称粒子のフレーバー構造を研究した。研究成果は以下のようにまとめられる。 1 A4対称性の破れの大きさから、ニュートリノのTri-bimaximal mixingからのずれを予想した。 2 D4 フレーバーの対称性に基づく、ニュートリノモデルを提唱した。そのモデルに基づき、超対称粒子であるsleptonの質量行列のフレーバー構造をあきらかにした。 3 質量が変化するニュートリノモデルとダークエネルギーの関係を詳細に検討し、超対称性を持つモデルの精密化を行った結果、偽の真空の存在が重要であることを明らかにした。
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