• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

重力レンズ効果における非一様時空のポスト・フリードマン的効果とダークエネルギー

研究課題

研究課題/領域番号 19035001
研究機関弘前大学

研究代表者

葛西 真寿  弘前大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30204358)

キーワード宇宙論 / ダークエネルギー / 非一様宇宙
研究概要

最近のIa型超新星の観測により,宇宙は加速膨張していることが示唆されている.宇宙の一様等方性を仮定すれば,この加速膨張はダークエネルギーの存在を意味する.一方,この(見かけの)加速膨張を,ダークエネルギーを導入すること無く宇宙の非一様性の効果として説明しようとする試みも行われている.一様等方宇宙ではハッブルパラメータや密度パラメータは空間的に一定であるが,非一様宇宙ではそれらは定数ではなく,空間依存性を通して一般に赤方偏移の関数となりうる.本研究ではまず,重力レンズ効果の表式に用いられる角経距離や光度距離などの宇宙論的距離公式に着目し,非一様時空に起因する効果を宇宙論パラメータの赤方偏移依存性として取り入れた現象論的距離公式を導いた.そして,超新星の光度-赤方偏移関係の観測データとのフィットを行い,遠方宇宙と近傍宇宙でハッブルパラメータに約11%の非一様性を許せば,ダークエネルギー無しに観測結果を説明できることを示した.これを発展させて,現実の宇宙がどのような非一様宇宙モデルで記述されるのかを知ること,すなわち非一様時空構造の解明に重力レンズ効果をツールとして用いるための定式化に向けた準備を整えることができた.今後は,近年の観測プロジェクトで蓄積されてきた最新の超新星観測データについても解析を行い,また重カレンズ効果の観測事例の統計的評価も行って,これら観測データとの照合による非一様宇宙論の観測的検証の確立を計る.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Apparent Acceleration through Large-Scale Inhomogeneities-Post-Friedmannian Effects of Inhomogeneities on the Luminosity Distance-2007

    • 著者名/発表者名
      Masumi Kasai
    • 雑誌名

      Progress of Theoretical Physics 117

      ページ: 1067-1075

    • 査読あり
  • [学会発表] 重力レンズ効果における非一様時空のポスト・フリードマン的効果とダークエネルギー2008

    • 著者名/発表者名
      葛西 真寿
    • 学会等名
      HSCをめぐるサイエンス検討会
    • 発表場所
      ホテル近鉄アクアビラ伊勢志摩
    • 年月日
      2008-03-06
  • [学会発表] 加速膨張,ダークエネルギー?,非一様宇宙!2007

    • 著者名/発表者名
      葛西 真寿
    • 学会等名
      研究会:宇宙初期における時空と物質の進化
    • 発表場所
      東京大学旧理工学部1号館
    • 年月日
      2007-05-28

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi