研究概要 |
細胞内での蛍光標識1分子ダイナミクスの解析のために,報告した生存時間による初到達時間解析に,各輝点の移動距離の確率分布を調べるjump distance解析を組み合わせて,面像データからの自動化を検討した。さらに,方向性を持った動きの検出のために,画像自己相関を用いるspatio-temporal imagecorrelatlon sectroscopy (STICS)を行うためのプログラムを作成し,有効性について検討した。その結果,はずれ値の処理に新たなアルゴリズムが必要となることが示された。また,様々な分泌系カーゴダシハク質について全反射顕微鏡を用いた1分子ダイナミクスの記録を行い,terminal misfoldする場合には特徴的な2つのモードの動きがあることが示唆され,これが処理機構と関連するのか,あるいはフォールディング装置との関連なのか,動きそのものの解析と同時に,それらの装置本体との関連についてその解析を進めている。さらに,これらと,現在提唱されているquality control compartmentとの関連についても検討を進めている。カーゴタンパク質の結合相手の分子の可視化のために,長波長側のレーザーを用いた2色同時観察の有用性について検討を進め,両分子ダイナミクスの相互相関関数を用いた解析の検討中である。また,長波長側のプローブとして用いる蛍光タンパク質そのものについても,分泌系の環境で使用できる新たな変異体を作成している。
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