研究課題
イネから日周性、細胞内小胞輸送に関与する新たな遺伝子の検索を行った。イネを鉄欠乏処理し、その根と葉から経時的にサンプリングを行い、これらからRNAを抽出して特に鉄欠乏初期での日周性に関するマイクロアレイ解析を行った。アレイは、近年開発された特異性の高い約44,000のプローブがのっているイネオリゴアレイ(44kアレイ)を用いた。結果については現在解析中であるが、特に、小胞輸送に関与すると考えられる新たな遺伝子の検索、そして、日周性の遺伝子発現に関与すると考えられる転写因子の検索を重点的に行う。これらについてさらにノーザン解析、GFP解析、遺伝子導入植物の作成を行い、ムギネ酸分泌との関連を検討する。ムギネ酸分泌トランスポーター候補遺伝子の解析。オオムギ、イネの鉄欠乏根でのマイクロアレイ解析によりムギネ酸の分泌のトランスポーターの候補遺伝子がいくつか上がってきている。これらのうちでもっとも可能性の高そうな遺伝子A(遺伝子についての詳細は記述しない)を用い、そのイネでの鉄欠乏による発現パターンの変化、抗体の作成、過剰発現体、RNAiによる発現抑制体の作成を行った。作成したイネを鉄欠乏、鉄十分条件下で栽培し、その分泌するムギネ酸量、あるいは根中のムギネ酸、ニコチアナミン量を測定することによりこの遺伝子がムギネ酸分泌に関わっているのかどうか検定を行った。ムギネ酸生合成の鍵酵素の一つであるニコチアナミン合成酵素の遺伝子OsNAS2をGFPタンパク質との融合タンパク質としてOsNAS2遺伝子のプロモーターの制御下で発現する遺伝子導入イネを作成した。作成したイネを鉄欠乏栽培してその根を蛍光顕微鏡で観察したところ、GFPの蛍光が顆粒状に存在することが分かった。
すべて 2007
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Proceedings of the National Academy of Sciences of the USA 104
ページ: 19150-19155
The Plant Journal 51
ページ: 366-377