研究課題
ムギネ酸分泌トランスポーター候補遺伝子の解析。オオムギ、イネの鉄欠乏根でのマイクロアレイ解析によりムギネ酸の分泌のトランスポーターの候補遺伝子がいくつか上がってきている。これらのうちでもっとも可能性の高そうな遺伝子A(遺伝子についての詳細は記述しない)を用い、そのイネでの鉄欠乏による発現パターンの変化、抗体の作成、過剰発現体、RNAiによる発現抑制体の作成を行った。作成したイネを鉄欠乏、鉄十分条件下で栽培し、その分泌するムギネ酸量、あるいは根中のムギネ酸、ニコチアナミン量を測定することによりこの遺伝子がムギネ酸分泌に関わっているのかどうか検定を行った。鉄欠乏処理により存在量の変化するタンパク質の検索。鉄欠乏処理をしたイネとコントロールとして鉄十分で栽培したイネの根からタンパク質、特に膜タンパク質に注目して単離を行った。SDSを含むバッファーで抽出することにより、膜成分をリッチに含む画分を調整した。これを奈良先端科学技術大学院大学の深尾陽一朗先生が開発したSDSを含むバッファーを用いても等電点電気泳動できる手法を用いて二次元電気泳動を行った。鉄欠乏とコントロールの根での二次元電気泳動パターンを比較することで、それぞれに特徴的なスポットを切り出し、いくつかのタンパク質については同定することができた。ムギネ酸生合成の鍵酵素の一つであるニコチアナミン合成酵素の遺伝子OsNAS2をGFPタンパク質との融合タンパク質としてOsNAS2遺伝子のプロモーターの制御下で発現する遺伝子導入イネを作成した。作成したイネを鉄欠乏栽培してその根を蛍光顕微鏡で観察したところ、GFPの蛍光が顆粒状に存在することが分かった。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Plant Mol. Biol. 66
ページ: 193-203
ページ: 609-617