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2008 年度 実績報告書

小胞体膜から核へ移行するbZIP型転写因子のタンパク質切断機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19039023
研究機関大阪府立大学

研究代表者

小泉 望  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (20252835)

キーワードシロイヌナズナ / シャペロン / 小胞体 / 転写因子 / シロイヌナズナ / タンパク質切断
研究概要

植物の小胞体ストレス応答で機能する転写因子AtbZIP60は通常は小胞体膜に局在し、小胞体ストレスにより、タンパク質レベルで切断され核へ移行する。AtbZIP60欠損変異体ではAtBiP3の誘導は殆ど起こらない。AtBip3プロモーターで制御されるGUS遺伝子を導入したシロイヌナズナではツニカマイシン処理により100から1000倍のGUS活性の誘導が確認された。この植物を用いてGUS活性を指標とし、ツニカマイシン処理によりGUS活性の誘導が起こらない変異体を単離すれば、その原因遺伝子はAtbZIP60タンパク質の切断に関与する可能性が高い。このようなアイデアのもとAtBiP3 :: GUSをホモに持つシロイヌナズナの種子にガンマ線及びEMSにより変異処理を行いそれぞれ約1000、5000のM2種子を収穫した。これらのM2種子から生じたM2植物を用いて変異体のスクリーニングを行った。これらの成果は植物で初めての膜切断型プロテアーゼの同定につながると期待される。AtbZIP60の誘導やタンパク質切断を引き起こす物質として、ポリアミン、サリチル酸に加えてプログラム細胞死を引き起こすフモニシンB1(FB1)を同定した。FB1はAtbZIP60の転写誘導を引き起こすとともにタンパク質レベルの切断も誘導した。少なくともBiPの顕著な転写誘導がFB1により起こらないことからFB1による効果は小胞体ストレス応答とは独立の情報伝達系により制御されていると考えられた。AtbZIP60の遺伝子破壊株ではFB1によるプログラム細胞死がより起こりやすくなっていた。この原因を調べるために野生型とAtbZIP60の遺伝子破壊株を用いてFB1処理における遺伝子発現のパターンをマイクロアレイ解析により調べた。これらの成果は植物における小胞体ストレスの生理意義の解明につながると期待できる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Arabidopsis bZIP60 is a proteolysis-activated transcription factor involved in the endoplasmic reticulum stress response2008

    • 著者名/発表者名
      Iwata Y., Fedoroff V.N. and Koizumi N.
    • 雑誌名

      Plant Cell 20

      ページ: 3107-3121

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of an Arabidopsis transmembrane bZIP transcription factor involved in the endoplasmic reticulum stress response2008

    • 著者名/発表者名
      Tajima H., et.al.
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Commun 374

      ページ: 242-247

    • 査読あり
  • [雑誌論文] NtbZIP60, an endoplasmic reticulum-localized transcription factor, plays a role in defense response against bacterial pathogen in tobacco2008

    • 著者名/発表者名
      Tateda C, et.al.
    • 雑誌名

      J. Plant Res 121

      ページ: 603-611

    • 査読あり
  • [学会発表] シロイヌナズナの小胞体ストレス応答に関わる膜局在型転写因子2009

    • 著者名/発表者名
      小泉望、田嶋紘美、岩田雄二
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2009-03-23
  • [学会発表] 小胞体ストレス応答遺伝子の花粉特異的発現2008

    • 著者名/発表者名
      Li Mi Hyun(李美賢)
    • 学会等名
      日本植物細胞分子生物学会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2008-09-02

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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