研究概要 |
(1) 細胞膜への輸送に関与するVAMP72 family SNAREの解析 細胞膜への輸送に関与していると思われるVAMP721, VAMP722, VAMP724について、mRFPとの融合タンパク質を、自身のプロモーターの制御下で発現できる形質転換シロイヌナズナを作成して、それらの組織特異性および細胞内局在についての解析を行った。その結果、VAMP724は、根端のみで発現が観察され、VAMP721, VAMP722は共に、根の全ての組織の細胞膜上に発現が観察された。現在、VAMP721, VAMP722についての詳細な局在パターンを解析中である。 (2) SYpl23, SYP132, SYP71等と複合体を形成するSNAREの探索 昨年までに、発現組織のプロファイルと細胞膜上の局在性を解析したSYP1のうち、SYP123, SYP124を中心にして、これらのQa-SNARE分子とSNARE複合体を形成するSNAREの探索をスプリット・ルシフェラーゼ・コンプリメンテーション法を用いて行った。その結果、SYP123とSYP132で若干の相互作用の差があるものの、両者にVAMP72, NPSN12, SNAP33, SYP71と相互作用することがわかった。現在、それぞれの相互作用の強度がカルシウムの有無によって変化するかについての解析をおこなっている。 (3) 花粉特異的発現を示すSYP125の機能解析 花粉で特異的に発現しているSYP125は、発芽前の花粉では、花粉の細胞質内に散在しているが、柱頭に花粉を受粉させ、リアルタイムで花粉管を発芽させると花粉管が発芽する瞬間に花粉管の発芽孔に瞬間的に局在し、更に伸長中の花粉管の先端部分に局在することがわかった。
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