研究課題/領域番号 |
19040008
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
阿部 広明 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 助教 (80222660)
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研究分担者 |
嶋田 透 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20202111)
三田 和英 農業生物資源研究所, ゲノム研究グループ, チーム長(研究職) (30159165)
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キーワード | カイコ / クワコ / W染色体 / 転移因子 / RAPD / 性染色体 / レトロトランスポゾン / 性決定 |
研究概要 |
本研究の目的は、カイコの性染色体上の雌決定遺伝子Femのクローニングである。これまでに本研究の代表者(阿部広明)を中心とするグループにより、W染色体上の分子マーカーであるRAPDマーカーの探索と、W染色体特異的BACライブラリーのDNA塩基配列の解析が行われてきた。その結果、Femは、あるひとつのRAPDマーカー(W-Rikishi)に極めて近い位置に局在していることが明らかとなった。W染色体部位が極端に短くなっている限性黄色繭W染色体のW部位は、必ずFemを含んでいるはずである。現在、W-Rikishiマーカーを含むBACクローンを解析し、さらにcontig作業を続けている。W染色体は、多くの転移因子が複雑に入り込んだ「入れ子構造」をしている。それとは別に、これまでに解析が困難であり、意味不明のW染色体上の塩基配列が存在したが、カイコホールゲノムショットガンのデータを使用して解析したところ、これらは新規の転移因子であることが判明した。これにより転移因子の蓄積によるW染色体構成の歴史が詳細に解明された。さらにカイコの野生種とも考えられる「クワコ」のW染色体も解析したところ、一部のレトロトランスポゾンの入れ子状態が、カイコのW染色体の入れ子状態と共通して存在していた。このことは、カイコとクワコが分化する前は、共通するW染色体を保有していたことを示唆している。またこの部分はFemに近いと考えられることから、現在、BACクローンのcontig、ならびにDNA塩基配列を利用したウォーキングなどを駆使し、Femをクローニングを試みているところである。
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