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2007 年度 実績報告書

ミュラー管の発生におけるDlgの機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19040026
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

向後 晶子  藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (20340242)

キーワードDlg / ミュラー管 / ウォルフ管 / 上皮 / シグナル伝達 / 発生・分化
研究概要

Dlgは、ショウジョウバエの癌抑制因子であり、上皮細胞の正常発生に必須である。哺乳類には4種類のホモログが存在するが、その発生学的な存在意義は不明であった。Dlg遺伝子KOマウスでは左右ミュラー管が癒合せずに膣の無形成が見られる。この現象について、Dlgの機能を明らかにすることが本研究の目的である。本年度は、KOマウスで見られる発生異常のより詳細な原因を追究するため、以下の研究を実施した。
1.Dlg遺伝子の欠損により、普遍的な細胞増殖能の低下が引き起こされているのかどうかを知るため、Dlg遺伝子KOマウスおよび野生型マウスから得た繊維芽細胞の増殖率を比較したが、KOマウス由来の細胞増殖率の低下は認められなかった。Dlg遺伝子KOマウスでは、尿管や腎臓などの低形成が認められるが、これらは全般的な細胞増殖率の低下によって引き起こされるものではなく、特定の時期・部位で、増殖刺激あるいはそれに対する応答能が低下していることが原因と考えられる。
2.ミュラー管の発生に関わるシグナル系として、Wnt系を想定し、胎児期ミュラー管組織におけるWntおよびfrizzledファミリーに属する因子の発現プロファイリングを行った。一方、胎仔由来繊維芽細胞でfrizzled-1の発現はあるものの、Dlgとの細胞内局在は認められず、またfrizzled-1の細胞内局在はDlgの有無によって変化が見られなかった。Dlgとfrizzledの機能的関連については今後慎重に検討していく必要がある。
3.正常なミュラー管発生を検証し、胎児期にミュラー管上皮で発現する細胞間接着因子cadherinの種類が、癒合時期を境にN-cadherinからE-cadherinへと変化することを見出した。ミュラー管癒合に伴って細胞内でどのようなイベントが起こっているのかを、今後さらに検討していく。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Loss of ICAT gene function leads to arrest of ureteric bud branching and renal agenesis.2007

    • 著者名/発表者名
      YoShimi Hasegawa
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications 362

      ページ: 988-994

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Requirement of the tumour suppressor APC for the clustering of PSD-95 and AMPA receptors in hippocampal neurons.2007

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Shimomura
    • 雑誌名

      European Journal of Neuroscience 26(4)

      ページ: 903-912

    • 査読あり
  • [学会発表] 胸部器官の発生におけるDlgh1の機能2008

    • 著者名/発表者名
      向後晶子
    • 学会等名
      第113回日本解剖学会全国学術集会
    • 発表場所
      大分
    • 年月日
      2008-03-28
  • [学会発表] Dlgh1はマウス正中部の器官形成に必要である2007

    • 著者名/発表者名
      向後晶子
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会合同大会(BMB2007)
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-12-13
  • [学会発表] Dlgh1遺伝子ノックアウトマウスにおける心臓の発生異常2007

    • 著者名/発表者名
      向後晶子
    • 学会等名
      日本解剖学会 第67回中部支部学術集会
    • 発表場所
      長久手
    • 年月日
      2007-10-14
  • [学会発表] Dlgh1遺伝子ノックアウトマウスにおける心奇形の発生2007

    • 著者名/発表者名
      向後晶子
    • 学会等名
      第78回日本動物学会
    • 発表場所
      弘前
    • 年月日
      2007-09-22

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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