研究概要 |
細胞系譜を解析した結果、前年度にメダカ卵巣のニッチ構造と予期される組織構造を見いだした。メダカで発現するnanos遺伝子ファミリーを体系的に解析したところ、そのうちのひとつがニッチ構造の特定生殖細胞に発現していることが見いだされた。その細胞が生殖幹細胞であるかを特定するために、BrdU取込み実験を行ない、分裂の遅い幹細胞の特徴を持つ細胞であることが判明した(Aoki, et.al., Zool. Sci.2009)。 また、生殖細胞に発現する3種の遺伝子産物(TUDOR, NANOS3, OLVAS)の局在を調べ、その局在様式の違いにより生殖細胞の分化状態を識別可能であることを見いだした。全ての段階において、生殖顆粒に3つの蛋白質は局在していたが、生殖腺に入るまではリング用構造をとり、生殖腺に入ってからは球状構造に変化していた。さらに生殖細胞がシスト分裂を始めると局在位置が核膜に近づき、減数分裂期になると核膜に接する大きな顆粒として存在した(Aoki, et.al. Dev. Dyn. 2008)。
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