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2007 年度 実績報告書

ペプチドグリカン認識蛋白質(PGRP)-LEによる細胞内寄生細菌の認識と排除機構

研究課題

研究課題/領域番号 19041010
研究機関東北大学

研究代表者

倉田 祥一朗  東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90221944)

キーワード細胞内寄生細菌 / 自然免疫 / ペプチドグリカン認識蛋白質 / ショウジョウバエ
研究概要

本研究では、(1)リステリア菌を認識し、排除する過程に、PGRP-LEが重要な役割を果たしていることを示すと共に、(2)PGRP-LEにより細胞内で認識されたリステリア菌が、どのような分子機構により排除されるのかを明らかにすることを目的としている。平成19年度は、(1)リステリア菌に対する感染抵抗性の発現におけるPGRP-LEの関与について解析した。リステリア菌は、PGRP-LEが認識するDAP型ペプチドグリカンを有し、ショウジョウバエでは、血液細胞に感染することが知られている。野生型のショウジョウバエの場合、ある程度のリステリア菌を成虫に注入し感染させても、感染抵抗性を示し致死とはならない。ところが、PGRP-LEの変異体では、その感染抵抗性が著しく低下し、致死となる。そこでまず、PGRP-LEの変異体において、血球細胞特異的にPGRP-LEを発現させ、リステリア菌に対する感染抵抗性を調べた。その結果、PGRP-LE変異体で低下するリステリア菌に対する感染抵抗性が、血液細胞でPGRP-LEを人為的に発現することにより回復した。これにより、血液細胞で発現しているPGRP-LEが、リステリア菌に対する感染抵抗性の発現に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。次に、ショウジョウバエ成虫から血液細胞を回収し、試験管内でリステリア菌を感染させ、その後の細胞増殖を調べた。その結果、野生型ショウジョウバエから回収した血液細胞の場合は、リステリア菌の細胞内増殖が抑制されているのに対して、PGRP-LE変異体から回収した血液細胞の場合には、リステリア菌の細胞内増殖が抑制されないことがわかった。これにより、PGRP-LEが、血液細胞でのリステリア菌の細胞内増殖の抑制に必須な因子であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A cyclopentanediol analogue selectively suppresses the conserved innate immunity pathways, Drosophila IMD and TNF-α pathways.2008

    • 著者名/発表者名
      Sekiya, M., Ueda, K., Okazaki, K., Kikuchi, H., Kurata, S., and Oshima, Y.
    • 雑誌名

      Biochem. Pharm. (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 細胞内外での病原体認識と昆虫感染防御システム2007

    • 著者名/発表者名
      倉田祥一朗
    • 雑誌名

      バイオインダストリー 24

      ページ: 63-67

  • [雑誌論文] ショウジョウバエの菌体認識機構2007

    • 著者名/発表者名
      倉田祥一朗
    • 雑誌名

      化学療法の領域 23

      ページ: 80-86

  • [学会発表] ショウジョウバエPGRP-LEによる細胞内寄生細菌の認識とオートファジー誘導2007

    • 著者名/発表者名
      矢野環、三田静香、大森弘子、大島吉輝、上田龍、吉森保、倉田祥一朗
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会・第80回日本生化学会合同大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-12-14

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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