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2008 年度 実績報告書

ペプチドグリカン認識蛋白質(PGRP)-LEによる細胞内寄生細菌の認識と排除機構

研究課題

研究課題/領域番号 19041010
研究機関東北大学

研究代表者

倉田 祥一朗  東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90221944)

キーワード細胞内寄生細菌 / 自然免疫 / ペプチドグリカン認識蛋白質 / ショウジョウバエ
研究概要

本研究では、(1)リステリア菌を認識し、排除する過程に、PGRP-LEが重要な役割を果たしていることを示すと共に、(2)PGRP-LEにより細胞内で認識されたリステリア菌が、どのような分子機構により排除されるのかを明らかにすることを目的としている。昨年度は、(1)リステリア菌に対する感染抵抗性の発現におけるPGRP-LEの関与について解析し、リステリア菌を認識し、排除する過程に、PGRP-LEが重要な役割を果たしていることを明らかにした。今年度は、(2)PGRP-LEにより細胞内で認識されたリステリア菌が、どのような分子機構により排除されるのかを明らかにするために、オートファジーに着目し解析した。オートファジーは、LC3蛋白質にGFPをつないだキメラ蛋白質(GFP-LC3)の挙動を追うことで可視化できることが知られている。まず、野生型のショウジョウバエ成虫から回収した血液細胞では、リステリアを感染させるとGFP-LC3のドットが観察され、オートファジーが誘導されることを確認した。そこで、PGRP-LE変異体から回収した血液細胞に、リステリア菌を感染させたところ、GFP-LC3のドットが観察されずに、オートファジーが誘導されないことがわかった。次に、リステリア菌を感染させたS2細胞では、PGRP-LE依存にリステリア菌の排除が誘導されるが、このPGRP-LEに依存したリステリア菌の排除は、オートファジー誘導に必要なAtg5のノックダウンにより抑制され、オートファジーによりリステリア菌の排除が起きることが分かった。さらに、Atg5をノックダウンしたショウジョウバエに、リステリア菌を感染させると、PGRP-LEの変異体と同様に、その感染抵抗性が低下することを分かった。これらの結果は、PGRP-LEはオートファジーを誘導してリステリア菌を排除することを示している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 昆虫の自然免疫機構を解き明かす2009

    • 著者名/発表者名
      倉田祥一朗
    • 雑誌名

      化学 64

      ページ: 12-17

  • [雑誌論文] Autophagic control of Listeria through intracellular innate immune rec ognition in Drosophila2008

    • 著者名/発表者名
      Yano, T., Mita, S., Ohmori, H., Oshima, Y., Fujimoto, Y., Ueda, R., Takada, H., Gold man, W. E., Fukase, K., Sily erman, N., Yoshimori, T., Ku rata, S.
    • 雑誌名

      Nature Immunology 9

      ページ: 908-916

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Induction of Autophagy via Innate Bacterial Recognition2008

    • 著者名/発表者名
      Yano, T., and Kurata, S
    • 雑誌名

      Autophagy 4

      ページ: 958-960

    • 査読あり
  • [学会発表] Autophagic control of Listeria through intracellular innate immune recognition in Drosophila2008

    • 著者名/発表者名
      Kurata, S
    • 学会等名
      Awaji International Forum on Infection and Im Imunity
    • 発表場所
      Awaji, Japan
    • 年月日
      2008-09-09

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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