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2007 年度 実績報告書

カイコ感染モデルを用いたグラム陽性細菌に保存された病原性発現機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19041022
研究機関東京大学

研究代表者

関水 和久  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (90126095)

研究分担者 垣内 力  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (60420238)
キーワードカイコ感染モデル / 宿主自然免疫 / 病原性制御因子 / 保存性 / 生物間相互作用
研究概要

CvfBタンパク質と結合する因子として30Sリボソームタンパク質S9を同定した。この結合に必要な領域は、CvfBタンパク質のC末端領域(226-300a.a.)と30Sリボソームタンパク質S9のC末端領域(66-130a.a.)に含まれることが示唆された。さらに、CvfBタンパク質は30Sリボソーム画分に含まれた。以上の結果は、CvfBタンパク質は、30Sリボソームタンパク質S9のC末端領域との結合を介してリボソームと複合体を形成し、翻訳に関与することを示唆している。
CvfAタンパク質は2',3'-cyclic AMPおよびGMPに対しホスホジエステラーゼ活性を示した。さらにCvfAはRNA3'末端の2',3'サイクリックホスホジエステル結合に対して、モノヌクレオチドの場合よりも高い親和性で反応した。また、HDドメインに点変異を有するCvfAタンパク質はホスホジエステラーゼ活性を示さず、黄色ブドウ球菌cvfA遺伝子欠損株の病原性の低下を相補する活性を失った。以上の結果は、CvfAタンパク質がホスホジエステラーゼ活性を有し、この活性は黄色ブドウ球菌の病原性に必要であることを示唆する。CvfAはRNA3'末端の2',3'-サイクリックホスホジエステル結合の分解によりRNA3'末端の構造変換を引き起こし、それによって病原性因子の発現に働くと考えられる。
新規病原性遺伝子の検索の結果、カイコ殺傷能力に必要な新規遺伝子を一つ同定した。この遺伝子産物はヘム合成経路に関わる酵素に相同性を有している。このことは、病原性に必要とされる新たな代謝酵素の存在を示唆している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Phosphodiesterase activity of CvfA is required for virulence in Staphy lococcus aureus .2008

    • 著者名/発表者名
      Nagata M, Kaito C, Sekimizu K
    • 雑誌名

      J Biol Chem. 283

      ページ: 2176-84

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Two-Component Signaling in Virulence of S. aureus: Silkworm Larva e-Pathogenic Agents Infection Model for Virulence.2007

    • 著者名/発表者名
      Kurokawa K, Kaito C, Sekimiz u K
    • 雑誌名

      Methods Enzymol. 422

      ページ: 233-44

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regulation of exoprotein gene expression by the Staphylococcus aureus cvfB gene.2007

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto Y, Kaito C, Morishita D, Kurokawa K, Sekimizu K
    • 雑誌名

      Infect Immun. 75

      ページ: 1964-72

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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