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2007 年度 実績報告書

マラリア原虫のステージ特異的遺伝子発現に関与する転写因子の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19041031
研究機関三重大学

研究代表者

油田 正夫  三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90293779)

キーワードマラリア原虫 / 転写因子 / ChIP-seq法 / オオキネート
研究概要

申請者はネズミマラリア原虫Plasmodium bergheiにおいて、AP2-0(AP2 in ookinete)と名付けた転写因子が、蚊への侵入ステージであるオオキネートの遺伝子発現を制御していることを見出した。DNAマイクロアレイにより、ノックアウト原虫のオオキネートで発現が減少した遺伝子を解析したところ、15種類の遺伝子の発現が顕著に減少していることが判明し、これらの遺伝子はAP2-0の標的遺伝子であることが推定された。しかしながらAP2-0に制御されている全ての被制御遺伝子を同定するためにはDNAマイクロアレイとは別の解析法が必要になる。考えられる一つの方法はAP2-0のゲノム上でのすべての結合部位を明らかにし、それを基に被制御遺伝子を予測することであった。そこで申請者はChIp-sequencing法を用いてP.bergheiゲノム上のAP2-0結合部位を同定した。現在のところゲノム上に同定できたAP2-0の結合部位は約1000箇所であり、そのうちプロモーター部分に存在するものは100-200箇所、標的遺伝子は100個以上と予測している(未発表データ)。100個という数はおそらくマイクロネーム蛋白質の総数を優に超えており、標的遺伝子のうちにはマイクロネーム蛋白の様に直接宿主への侵入に関わるものだけでなく、侵入のための形態(アピカルコンプレクス)や分子モーターを形成するために必要な遺伝子など、広く侵入に関連する遺伝子が含まれている可能性がある。実際ノックアウト原虫オオキネートの異常な形態はAP2-0の標的遺伝子が形態形成に関与していることを示唆している。またすでに我々はChIp-sequencing法のデータを基に、オオキネートのアピカルコンプレックス形成に関わる遺伝子がAP2-0に直接制御されていることを見出している(未発表データ)。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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