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2007 年度 実績報告書

フラビウイルスコア蛋白質の核内移行と病原性発現

研究課題

研究課題/領域番号 19041037
研究機関大阪大学

研究代表者

松浦 善治  大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (50157252)

研究分担者 森 嘉生  大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (40379095)
キーワードフラビウイルス / コア蛋白質 / 核移行 / 病原性 / プロセシング
研究概要

日本脳炎ウイルス(JEV)感染細胞にはウイルス粒子に取り込まれている成熟型よりも低分子量のコア蛋白質が検出されることから、この分子が粒子形成以外の機能に関与している可能性が考えられる。そこで、JEV感染細胞におけるコア蛋白質のプロセッシングおよびその生物学的意義を解析した。
精製コア蛋白質のカテプシンL切断断片の配列解析から、切断部位は18位のリジンおよび19位のアルギニン間であることが示唆された。さらにー過性に発現させたコア蛋白質の解析から、17位のロイシンがカテプシンLによるプロセッシングに重要であることが明らかとなった。そこで、17位のロイシンをアラニンへ置換し、コア蛋白質がプロセッシングを受けなくなるような変異ウイルスの作製を試みた。変異JEVはサル由来Vero細胞、ブタ由来PK15細胞、および力由来C6/36細胞において、野生型JEVと同等の増殖性を示したが、マウスマクロファージ由来RAW264.7細胞や、マウス神経芽腫由来N18細胞では、増殖性の顕著な低下が認められた。さらに、変異JEVは野生型JEVに比べて、マウスの頭蓋内接種では約10倍、腹腔内接種においても病原性の低下が認められた。以上の結果から、カテプシンLによるコア蛋白質のプロセッシングは、JEVの免疫細胞や神経細胞での増殖性およびマウスに対する病原性に重要であることが示唆された。JEVコア蛋白質のカテプシンL切断部位の周辺領域は、ウエストナイルウイルスやデングウイルス等のフラビウイルスで非常に良く保存されていることから、これらのウイルスにおいてもコア蛋白質がカテプシンLによる切断を受け、増殖性に関与する可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Processing of Capsid Protein by Cathepsin L Plays a Crucial Role in Replication of the Japanese Encephalitis Virus in Neural and Macrophage Cells.2007

    • 著者名/発表者名
      Mori, Y.
    • 雑誌名

      J. Virol. 81

      ページ: 8477-8487

    • 査読あり
  • [学会発表] C型肝炎ウイルスコア蛋白質のシグナルペプチドペプチダーゼによるプロセッシングの生物学的意義2007

    • 著者名/発表者名
      森 嘉生
    • 学会等名
      第55回日本ウイルス学会総会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20071021-23

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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