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2008 年度 実績報告書

ウイルス性脳炎発症機構に関する新しい概念-宿主の防御戦略とウイルスの生存戦略

研究課題

研究課題/領域番号 19041076
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

小池 智  (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (30195630)

キーワードウイルス / 脳・神経 / トロピズム / インターフェロン
研究概要

ポリオウイルスが急性脳炎・脊髄炎を引き起こすのはウイルスが感染した細胞や組織によってIFN応答性が異なっていることが原因の一つである。ポリオウイルス感染後神経系組織のIFN応答は鈍く、非神経系組織の応答は素早く、強い。最近の知見によってIFN産生に至るウイルスRNAの検知は細胞内RNAセンサーであるRIG-I、MDA5や細胞外もしくはエンドソーム内RNAセンサーであるToll-like receptor (TLR)-3、TLR-7によってなされており、これらのセンサーは特定の細胞で機能する防御戦略がとられていることが示されている。したがってポリオウイルス感染時に細胞・組織にウイルスが感染している、あるいは検知されていることが考えられた。そこで我々はポリオウイルス感染時にどのようなセンサーが関与しているかをノックアウトマウスを用いて調べた。昨年度までにRIG-IやMDA5はポリオウイルス感染では最も重要な経路でないことが判明しているので、今年度はTRIFとMyD88の影響を調べた。ポリオウイルス感染時には主に脾臓でIFNが産生されるが、TRIF KOマウスではIFNαやISGの誘導レベルが低下しており、種々の組織でのウイルス増殖も増し、マウス個体の生存率も低下した。したがってポリオウイルスの感染の検知は主に脾臓に存在する細胞で行われ、しかもTRIFに依存する経路が重要であることが判明した。さらに細胞種を同定し、ポリオウイルスはこの経路で検知されてしまうメカニズムを解明することが重要であると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] ポリオウイルス感染によるIFN応答発動経路の同定2008

    • 著者名/発表者名
      小池智、安部優子、永田典代、佐多徹太郎、竹内理、審良静男
    • 学会等名
      第56回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      岡山市
    • 年月日
      2008-10-28
  • [学会発表] Interferon induction in response to poliovirus infection in the poiliovirus receptor transgenic mice.2008

    • 著者名/発表者名
      Satoshi KOIKE
    • 学会等名
      The 8^<th> Awaji International Forum on Infection and Immunity.
    • 発表場所
      淡路市
    • 年月日
      2008-09-11
  • [学会発表] ポリオウイルスと自然免疫の攻防2008

    • 著者名/発表者名
      小池智、安部優子
    • 学会等名
      第12回日本神経ウイルス研究会
    • 発表場所
      屋久島
    • 年月日
      2008-07-17
  • [学会発表] Studies on poliovirus RNA sensors2008

    • 著者名/発表者名
      Koike S., Abe Y.,
    • 学会等名
      XVth Meeting of the European Study Group on the Molecular Biology of Picornaviruses
    • 発表場所
      Spain, Barcelona
    • 年月日
      2008-05-29

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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