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2008 年度 実績報告書

核磁気共鳴による藍色細菌時計蛋白質の相互作用とダイナミクスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 19042016
研究機関大阪大学

研究代表者

池上 貴久  大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (20283939)

キーワード生物時計 / 核磁気共鳴 / 藍色細菌
研究概要

近年、生物時計をもつ唯一の原核生物である藍色細菌において、時計に関する蛋白質KaiA, KaiB, KaiCの結晶構造が決定された。興味深いことに、よく知られている遺伝子調節の関与なしに、これらの蛋白質とATPのみで24時間のリズムがin vitroで生じる。本研究の目的は、24時間周期の鍵となるこれら3種類の蛋白質どうしの相互作用を核磁気共鳴(NMR)を用いて直接に原子レベルでリアルタイム観測し、時計発振の基本的メカニズムを解明することである。^2H,^<15>N,^<13>Cで標識したKaiA、KaiB、あるいは、KaiCを調製し、二次元NMR実験である^1H-^<15>N CRINEPTスペクトルを測定した。さらにメチル基のみを^<13>C,^1Hで標識し、それ以外の核を^<12>C,^2Hで標識した試料を調製した。この試料では、メチル基からの信号のみをメチルTROSY法を利用して測定できるので、KaiCのような超高分子量との複合体でも対応できる。KaiCにはリン酸化部位が二カ所あり、それぞれがリン酸化される順序が決まっている。そして、そのリン酸化の順序が周期の進行に同期している。そこで、それぞれのリン酸化状態を模倣した変異体を作成し、それぞれがKaiAあるいはKaiBとどのように相互作用するかを観測した。その結果、明らかにKaiCのリン酸化状態に依存してKaiB-KaiC間の相互作用が変化することが分かり、その相互作用の強さは、24時間周期の進行におけるKaiCのリン酸化、脱リン酸化の順序とほぼ一致することが見出された。一方、KaiAとKaiCの間の相互作用は、KaiCのリン酸化状態には依存しなかった。以上より、24時間周期において、KaiA, KaiB, KaiC蛋白質どうしの相互作用がどのように変化したかを原子レベルで観測でき、立体構造をもとに生物時計のメカニズムを議論することが出来た。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Tertiary structure and carbohydrate recognition by the chitin-binding domain of a hyperthermophilic chitinase from Pyrococcus furiosus2008

    • 著者名/発表者名
      中村努
    • 雑誌名

      Journal of Molecular Biology 381

      ページ: 670-680

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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