基盤に固定化し、さらには磁気ビーズおよび蛍光発色団を付与できるDDPの合成に取り組んだ。上下のポルフィリンを異なる置換基で修飾することによりさらに、大きなプローブ(ビーズ)と小さなプローブ(蛍光色素)を用いてDDP1分子の回転運動を直接可視化するためであるDDPの回転速度は設計段階でヒューマンタイムスケール(10mSec〜sec)にしておくために置換基の結合様式をアセチレンとするかどうかを検討したが合成上の困難さから、通常のアリール基を基盤とする分子とした。今後、基盤との相互作用のための部位として活性エステル部位を、ビーズ、色素との相互作用部位としてビオチン部位を有する官能基とclick反応にて選択的に共有結合を形成可能アセチレン部位を有するDDPを合成した。今後、アミノ基修飾ガラス基盤への固定化と1分子観察を行う。今後の可視化研究に向けて、マジックハンド様の分子を合成し、分子認識駆動の構造変化を確認した。刺激となるジカルボン酸不在下では収縮した構造を主にとるマジックハンド様分子は、ジカルボン顧存在下で、6分子のジカルボン酸を協同的に認識し伸びた構造をとることを明らかとした。そのときの分子長は約2倍にもおよぶことを見出した。
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