研究課題/領域番号 |
19042022
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村田 武士 京都大学, 医学研究科, 助教 (80415322)
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研究分担者 |
山登 一郎 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (70111458)
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キーワード | V-ATPase / X線結晶構造解析 / ポンプ / ナトリウム / モーター / 複合体 / 膜タンパク質 / Enterococcus hirae |
研究概要 |
当初研究計画に従って、下記の研究結果を得た。 下記番号は研究目的・研究実施計画書の番号に対応させた。 1)構造の明らかになったNtpKサブユニットのイオン結合部位であるDCCD結合性Glu周辺などに変異導入し、イオン結合の性質を調べるには、腸内連鎖球菌のNtpK欠失株に部位特異的変異のあるNtpK遺伝子を含むプラスミドを導入する必要がある。まずこの変異株作製系を構築した。その後、大量培養を行い変異酵素の精製を行ったが、発現量が少ないため完全精製することが難しかった。今後は本酵素変異株の大量発現系を確立し、変異NtpKリングを精製し、結晶化及び構造解析を行う。 2)NtpKリングの計算機シミュレーションを行い、基質結合部位でのイオンの結合に関わる残基の動態を調べ、イオンの結合に関するメカニズムのモデルを提案した。 3)V_1部分の大量精製・結晶化方法は既に確立できている。結晶化の精密化を行っているが、解像度の改善はみられなかった。今回、NtpA、NtpBサブユニットそれぞれの大腸菌大量発現系を確立した。今後はV_1部分の結晶化条件の精密化の継続と組換体NpAとNtpBの結晶化を行う。 4)分子動力学法/自由エネルギー計算によりF-ATPaseの触媒部位のATPとADPを相互変換したときの自由エネルギー差の見積もりと、その基質変化に伴うβサブユニットの構造変化を調べた。その結果、ADP結合型の構造が最もADPとの結合親和性が高いことが分った。
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