特定領域研究|植物の生殖過程におけるゲノム障壁」では、|ゲノム障壁」機構を分子レベルで解明することを目的としている。その手段の1つとして、全ゲノム解読が終了したイネをモデルとし、マイクロアレイ実験を用いて数十以上の生殖ステージの網羅的な遺伝子発現解析を実施している。ここで、マイクロアレイ実験データから生殖関連遺伝子とそれらの生物学的機能を同定するためには、遺伝子の発現と機能に関するデータベースの利用が不可欠である。しかし、現時点では、そのようなデータベースが存在しない。そこで、本研究では、平成19年度に、イネ・ゲノムに関する主要な情報を統合検索できるデータベースOryzaExpressの構築を行い、その一部を一般に公開(http://riceball.lab.nig.ac.jp/oryzaexpress/)している。 現時点では、OryzaExpressには、イネのゲノム情報、マイクロアレイに搭載されているプローブに対する遺伝子機能アノテーション情報、代謝パスウェイ情報、文献情報、および、遺伝子発現プロファイルなどの情報が統合されている。そして、これらの情報に対して簡便にアクセスし得るWebインターフェースを構築している。また、本特定領域研究から得られているマイクロアレイ実験データ、および、それらを用いた遺伝子の共発現ネットワーク解析の結果を、順次、データベースに格納している。 平成20年度は、OryzaExpressが格納する遺伝子発現データの拡張を継続して行い、本特定領域研究に携わる各研究者の研究目標達成、および、本特定領域研究の全体目標である異種間のゲノム障壁機構の解明を促進する。
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