研究課題/領域番号 |
19044001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
清水 宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00146672)
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研究分担者 |
芝木 晃彦 北海道大学, 病院, 講師 (40291231)
阿部 理一郎 北海道大学, 病院, 講師 (60344511)
西江 渉 北海道大学, 大学院・医学研究科, 非常勤講師 (20443955)
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キーワード | 免疫学 / 応用動物 / 生体機能利用 / 細胞・組織 / バイオテクノロジー |
研究概要 |
本研究の目的は、皮膚表皮基底細胞の細胞膜構成分子の一つである17型コラーゲン(COL17)における、タンパク質分解"ectodomain shedding"の生理機能と分解制御の詳細な機構を明らかにすることである。COL17のタンパク質分解"ectodomain shedding"は、表皮と真皮の接着に最も重要な働きを持ち、表皮細胞の正常な分化(角化)および創傷治癒の際の表皮細胞の遊走に重要と考えられているが、その詳細は未だ不明な点が多い。本研究では、申請者らが最近開発した新しい方法(Nishie W. et al. Humanization of autoantigen. Nature Medicine 12 ; 2007, 378-383)を応用し、表皮基底細胞においてCOL17のタンパク質分解"ectodomain shedding"が不可能なマウスを作製し、COL17のectodomain sheddingが果たす直接的な生理機能解析を行う。H20年度では、cleaving enzyme認識部位を除いたヒト17型コラーゲンを発現する、"ectodomain shedding"が不可能なマウスを作製し、解析を行った。詳細なタンパクレベルでの解析の結果、cleaving enzyme認識部位を除いたタンパクの発現レベルが非常に低いことが判明したため、タンパク発現量が十分にあり、且つ"ectodomain shedding"が不可能となる新しいコンストラクトを新たに作成した。In vitroでの検討の結果、新しいコンストラクトは従来のものに較べタンパク発現量が極めて高いことが確認出来、この新しいcleaving enzyme認識部位を除いたヒト17型コラーゲン遺伝子c DNAを受精卵核内ヘインジェクションしトランスジェニックマウスを作成した。今後、COL17ノックアウトマウスと交配を重ね、表皮基底細胞においてCOL17のタンパク質分解、ectodomain sheddingの生体における生理機能解明を引き続き行っていく予定である。
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