• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

精子GPIセリンアンカープロテアーゼTESP5による細胞機能制御

研究課題

研究課題/領域番号 19044008
研究機関筑波大学

研究代表者

馬場 忠  筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (40165056)

キーワードプロテアーゼ / 精子 / マウス / 子宮 / 受精能
研究概要

精子表層でGPIアンカーしているセリンプロテアーゼTESP5/PRSS21がどのように細胞機能を制御しているのかを調べ、次のような成果を得た。
PRSS21の一部は精子表層ですでに活性化しているが、生体外で精子セリンプロテアーゼACRを添加することによってPRSS21の活性化が著しく助長される。そこで、PRSS21による精子機能制御をさらに明らかにするために、PRSS21とACRの両方を欠損するダブル欠損マウスを作製し、PRSS21とACRそれぞれ単独の欠損マウス精子と比較検討を行った。このダブル欠損オスマウスの妊孕率は、野生型のほぼ半分まで低下していることが明らかになった。また、交尾後に受精卵を回収しほぼ同等の受精率が得られたため、この低受胎性は初期胚発生での異常が原因でないことを確認した。次に、体外受精系でダブル欠損精子の機能を調べてみると、まったく受精できないことが判明した。卵子透明帯結合能や卵子融合能などの顕著な不全も見いだされた。さらに詳しい検討の結果、このダブル欠損精子の受精不全は、精子が卵子卵丘細胞塊へ侵入しないか、侵入してもほとんど卵子透明帯へ到達できないことに起因していることが明確になった。ACR欠損精子も類似の機能不全が見いだされたが軽度であり、さらにPRSS21欠損精子にはその不全がほとんど見られなかった。したがって、PRSS21とACRは協調して精子の卵子卵丘細胞塊侵入と通過で機能していることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Sperm penetration through cumulus mass and zona pellucida2008

    • 著者名/発表者名
      Kim, E., Yamashita, M., Kimura, M., Honda, A., Kashiwabara, S., and Baba, T.
    • 雑誌名

      Int. J. Dev. Biol. 52

      ページ: 677-682

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reduced fertility of mouse epididymal sperm lacking Prss21/Tesp5 is rescued by sperm exposure to uterine microenvironment2008

    • 著者名/発表者名
      Yamashita, M., Honda, A., Ogura, A., Kashiwabara, S., Fukami, K., and Baba, T.
    • 雑誌名

      Genes Cells 13

      ページ: 1001-1013

    • 査読あり
  • [学会発表] 子宮内因子による受精能回復機構の解析2008

    • 著者名/発表者名
      山下美鈴、河野菜摘子、康宇鎭、柏原真一、馬場忠
    • 学会等名
      日本分子生物学会・日本生化学会合同大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-12-11
  • [備考]

    • URL

      http://www.agbi.tsukuba.ac.jp/~tblab/

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi