研究課題
リガンド依存性ユビキチンリガーゼの作用機構解明を目的とし、AhR-CUL4B複合体をモデルとして、ユビキチン化標的蛋白質の同定を試みた。まず、抗ユビキチン抗体を用いてユビキチン化蛋白質の濃縮、LC-MS/MSによる同定を構築した。そこで、MCF7細胞をAhR活性化リガンドである3MCで処理し、3MC依存的なユビキチン化蛋白質の同定を試みた。さらに、MALDI-TOF/MSにより同定を行ったところ、幾つかのヒストン修飾酵素群を見出した。CUL4BおよびAhRをknock-downしたところ、AhR標的遺伝子においてヒストン修飾の広範な異常が見出された。従って、AHR-CUL4Bのユビキチン化標的として遺伝子プロモーター上でのヒストン修飾酵素の機能制御が予想された。第二に、リガンド依存性ユビキチンリガーゼの生理作用における重要性の証明を目的とし、AhR以外の転写因子がリガンド依存性ユビキチンリガーゼとして機能する可能性に注目した。核内受容体を候補として網羅的探索を行ったところ、幾つかの核内受容体の免疫沈降複合体が、in vitroでユビキチンリガーゼ活性を有することを見出した。さらに核内受容体が形成するユビキチンリガーゼ複合体の精製を行い、乳癌細胞における候補複合体の同定に成功し、この複合体が細胞周期制御に関与している可能性を見出した。脂溶性ホルモン、脂溶性ビタミンの生理作用の一部がユビキチンリガーゼ活性を介して発揮される可能性が考えられ、現在その標的および生理作用との関連を検討している。
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Biochem Biophys Res Commun On line掲載
ページ: 19
Nat Cell Biol 9
ページ: 1273-85
ページ: 604-11
http://www.iam.u-tokyo.ac.jp/indexe.html