研究課題
プロテアソームは約100個のサブユニットが分子集合することにより形成された巨大なタンパク質分解酵素複合体であり活性部位を持つ20Sプロテアソームの両端に制御因子PA700が結合し、分子量2.5MDaの26Sプロテアソーム複合体を形成する。本酵素はユビキチンの付加された細胞周期制御タンパク質や変性タンパク質を認識し特異的に分解する役割を担っており、巨大な複合体を形成することで特定のタンパク質だけを効率よく分解している。また、プロテアソームは多種類のサブユニットが複合体を形成することで高度で選択的なタンパク質分解機構を獲得している。そのため、プロテアソームのサブユニット集合による四次構造形成は多種類のサブユニットを厳密に配置する、非常に高度な制御を必要とすることが明らかとなってきた。新規シャペロンDmp1-Dmp2複合体は酵母プロテアソームの分子集合過程においてαリングの形成に関与するシャペロンとして発見された分子である。このDmp1-Dmp2複合体によるプロテアソーム複合体形成機構の理解を目指し、Dmp1-Dmp2複合体およびDmp1-Dmp2-α5サブユニット複合体のX線結晶構造解析を行った。Dmp1-Dmp2複合体のX線結晶構造よりDmp1、Dmp2は一次構造上有意なホモロジーを持たないにもかかわらず、非常によく似た立体構造をとっており、それぞれ6本のβストランドからなるβシートが重なることで二量体を形成していることが明らかになった。さらにDmp1-Dmp2-α5サブユニット複合体の解析からDmp1-Dmp2は二量体の境界領域でα5サブユニットと結合し、その結合部位はβサブユニットの結合部位よりαリングの内側に結合することが示された。
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