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2007 年度 実績報告書

遠位尿細管、副甲状腺、脈絡膜に発現する体液カルシウムセンサーの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19045016
研究機関京都大学

研究代表者

伊村 明浩  京都大学, 医学研究科, 助教 (60362513)

キーワードカルシウム / センサー / Klotho / 遠位尿細管 / ゼタミンD / PTH
研究概要

平成19年度の研究により得られた新たなモデルは、次のようなものであった。脈絡膜や遠位尿細管では、細胞自体にカルシウム感知装置が備わっており、秒から分の単位でKlotho依存性に自律的Ca運搬を行う。Ca低下に際しては分単位でPTHが分泌されるが、この分泌にもKlothoは必要である。PTH自身の半減期は2分程度であり、骨からの吸収、尿細管からの再吸収を上昇させるが、近位尿細管に作用してビタミンD活性化酵素である1 α hydroxylaseの転写を促進する。そのため、ビタミンDが活性化され、時間から日の単位で、尿細管、骨、腸からのカルシウム動員を上昇させ、持続的なCa上昇を誘導する。しかしながら、ビタミンD持続的上昇は、やがて抑制されなければならない。実はそこにもKlothoが関っていることが証明されつつある。Urakawaらの報告に依れば、KlothoはFGF23と共同で1 α hydroxylaseの転写抑制に必要である。(Urakawa,2006)この分子メカニズムは詳細には不明であるが、Klothoは日単位で上昇した1 α hydroxylaseの抑制にも関与することになり、負のフィードバックシステムを構成していることになる。すなわち、Klothoはカルシウム恒常性の鍵分子であり、central regulatorであるという概念に到達した。謎の分子であったKlothoの役割が解明され、カルシウム恒常性問題がKlothoを中心とした統一的な理解として提示できたと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] a-Klotho: A regulator that integrates calcium homeostasis2008

    • 著者名/発表者名
      Nabeshima YI and Imura A
    • 雑誌名

      American journal of nephrology 28

      ページ: 455-464

  • [雑誌論文] alpha-Klotho as a regulator of calcium homeostasis2007

    • 著者名/発表者名
      Imura a, et. al.
    • 雑誌名

      Science 316

      ページ: 1615-1618

    • 査読あり
  • [雑誌論文] カルシウム代謝とa-Klotho2007

    • 著者名/発表者名
      伊村明浩
    • 雑誌名

      The Bone 21

      ページ: 79-83

  • [学会発表] alpha-Klothoが統御するカルシウム恒常性2007

    • 著者名/発表者名
      伊村明浩
    • 学会等名
      日本分子生物学会総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-12-13

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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