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2007 年度 実績報告書

匂い環境適応における細胞接着分子OCAMの役割

研究課題

研究課題/領域番号 19045022
研究機関高知大学

研究代表者

椛 秀人  高知大学, 医学部, 教授 (50136371)

キーワード匂い / フェロモン / 鈿胞接着田子 / 嗅神経 / 鋤鼻器 / 鋤鼻受容体
研究概要

我々は、匂い・フェロモン環境に応じてどのようにセルセンサー機能を変化(モーダルシフト)させ、引いては個体適応へと導くのかという問題の解明を目指している。本年度は特に、匂い環境適応におけるOCAMの役割、鋤鼻感覚細胞の機能発現制御機構について解析を行い、以下の成果を得た。
嗅上皮ゾーン2-4の嗅細胞に発現している細胞接着分子OCAMの機能を明らかにするために、OCAM遺伝子欠損マウスの脳切片を用いて電気生理学的解析を行った。嗅神経の電気刺激によって誘発されるフィールド電位を嗅球の糸球体層から記録した。野生型の全域と変異型のOCAM陰性領域に比べ、変異型のOCAM陽性領域におけるシナプス応答が有意に低下していた。また、数発の低頻度刺激を5分間隔で与えたところ、野生型では5分間隔で十分な応答の回復が見られたのに対し、変異型では著しい応答の減衰が認められた。一方、ヘアパルス抑圧には差が認められなかった。従って、OCAMは嗅神経の興奮・伝播から神経伝達物質放出までのいずれかの段階で機能しているものと考えられる。
培養鋤鼻器における鋤鼻受容体VR1,VR4の発現量は,副嗅球との共培養によって共培養7〜14日目にかけて有意に上昇し,その後プラトーに達した。共培養鋤鼻器では,発現した受容体は本来あるべき部位に局在していた。また,受容体発現量の経時的な変化と一致して鋤鼻ニューロンが尿に対する応答性を獲得することが判明した。以上より,鋤鼻ニューロンの鋤鼻受容体発現と機能性獲得がその投射の標的である副嗅球ニューロンによって制御されることが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Oxytocin facilitates the induction of long-term potentiation in the accessory olfact ory bulb2008

    • 著者名/発表者名
      Fang, L.-Y.
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Targert regulation of V2R expression and functional maturation in vomeronasal sensory neurons in vitro.2007

    • 著者名/発表者名
      Muramoto, K.
    • 雑誌名

      European Journal of Neuroscience 26

      ページ: 3382-3394

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 鋤鼻器:フェロモン受容2007

    • 著者名/発表者名
      椛 秀人
    • 雑誌名

      生体の科学 58

      ページ: 308-313

  • [学会発表] 没射標的によって誘導される培養鋤鼻ニューロンの機能的成熟2008

    • 著者名/発表者名
      村本 和世
    • 学会等名
      日本生理学会
    • 発表場所
      京王プラ涜ホテル東京
    • 年月日
      2008-03-26
  • [図書] Comparative Social Cognition2007

    • 著者名/発表者名
      Kaba, H.
    • 総ページ数
      265
    • 出版者
      Keio University Press
  • [備考]

    • URL

      http://www.kochi-ms.ac.jp/~ff_phsl1/index.htm

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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