研究課題/領域番号 |
19059006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
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研究分担者 |
西城 忍 東京大学, 医科学研究所, 助教 (60396877)
角田 茂 東京大学, 医科学研究所, 助教 (80345032)
藤門 範行 東京大学, 医科学研究所, 助教 (90447334)
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キーワード | 自己免疫疾患 / 疾患モデル動物 / IL-1 / IL-17A / 関節リウマチ / IL-17F / 自己応答性 / 獲得免疫 |
研究概要 |
サイトカインは細胞の分化、増殖、生存などを制御することによりその運命を決定し、生体の機能発現や恒常性維持に重要な役割を果たしている。サイトカインの異常は、自己寛容性の制御機構に破綻をきたし、自己免疫疾患の発症に至る。我々は独自に開発したHTLV-I TgマウスとIL-1Ra KOマウスの2種類の関節炎を自然発症するモデルマウスを用いて、関節炎発症機構の解析を行ってきた。その中で、両方のモデルマウスは病態は非常に良く似ており、IL-17Aが関節炎の発症に重要であることを見いだした。本研究では、これらの2種類のモデルマウスを利用し、各種サイトカインとTreg、およびTh17、樹状細胞との関係を明らかにすることを目的とした、本年は、IL-17Aと同じTh17細胞から分泌されるIL-17Fの役割を明らかにする目的で、IL-17FKOマウスとIL-17A/FダブルKOマウスを作製し、生理的・病理的役割の検討を行った。その結果、IL-17Fを欠損したIL-1Ra KOマウスは野生型のIL-1RaKOマウスとほぼ同等に関節炎を発症し、関節炎の発症には関与していないことが明らかとなった。他の実験的自己免疫疾患のモデルであるEAEも野生型マウスと同等に発症し、自己免疫の発症には関与していないことが示唆された。ところが、IL-17F KOマウスとIL-17A KOマウスはともに腸管でのCitrocacter rodentium感染や鼻粘膜でのStapylococcus aureus感染などに易感染性になっており、IL-17FとIL-17Aはどちらも粘膜における細菌感染防御に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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