研究課題/領域番号 |
19100009
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大平 充宣 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50185378)
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研究分担者 |
中井 直也 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90324508)
河野 史倫 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90346156)
西本 憲弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80273663)
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キーワード | 筋活動 / 脳機能 / 感覚神経 / プロテオミクス / 筋再生 |
研究概要 |
ラット後肢の筋活動または感覚神経情報が脳機能およびタンパク質発現や神経再生に及ぼす影響を追求した。生後3週齢のラットを2週間後肢懸垂した場合、迷路水槽を使ったテストでケージ飼育群に比べて有意に学習能が低かった。2次元電気泳動により海馬におけるタンパク質発現をチェックした結果、後肢懸垂により発現が増加するものと低下するもの、発現量は一定でもリン酸化が変化するタンパク質は確認された。凍結横断切片における免疫組織化学的解析により海馬におけるニューロン新生に及ぼす影響も追求した。その結果、発育に伴うダブルコルチン陽性細胞の減少は、後肢懸垂によりさらに進行した。発育期の筋活動が脳特性に顕著な影響を及ぼすことが示唆されるが、このような現象が脳の機能に如何なる影響及ぼすのかについては不明で、今後の研究が必須である。さらに、3か月間の宇宙飛行が、マウス脳の遺伝子およびタンパク質発現に及ぼす影響も分析した。地球上で後肢筋活動を3か月間抑制または2-G暴露で促進したマウスの脳でも同じ分析を計画したが、実験動物の確保難により年度内に活動抑制群のサンプルがそろわず、平成23年度への繰越を申請した。幸いサンプル数もそろい、分析も終了することができた。これらの結果、脚筋運動が脳機能維持に重要な役割を演じていることが明らかとなった。これらの結果は、ヒトにおいてもあてはまるものと思われ、日常生活における脚運動の必要性が示唆されよう。
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