研究課題/領域番号 |
19100010
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
吉村 作治 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80201052)
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研究分担者 |
近藤 二郎 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70186849)
高宮 いづみ 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (70221512)
中川 武 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30063770)
西浦 忠輝 国士館大学, イラク古代文化研究所, 教授 (20099922)
青木 繁夫 サイバー大学, 世界遺産学部, 教授 (60088797)
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キーワード | 文化財 / 保存科学 / 材質分析 / 考古学 / 観光 / 環境マネジメント / 地質 |
研究概要 |
エジプト・アラブ共和国、メンフィス・ネクロポリスは、ギザの三大ピラミッドなどのピラミッド群など、世界で最も重要な遺跡が集中する地区であり、1979年にユネスコの世界遺産として登録されている広大な遺跡群である。 近年、この遺跡群では隣接都市である首都カイロの人口増加による環境汚染、地下水の上昇、観光客の増加、開発による遺跡破壊などのさまざまな問題が表面化しつつある。早稲田大学古代エジプト調査隊は、1987年よりメンフィス・ネクロポリスの主要な遺跡にて科学研究費補助金などの助成を受け、調査を継続している。これらの調査は考古学的調査のみならず、保存修復、遺跡整備に関する調査を実施してきた。このような過去20年間に培った経験をメンフィス・ネクロポリスの遺跡整備計画に還元することが責務と考えている。 2007年度は、メンフィス・ネクロポリスの遺跡整備計画の学際的研究の予備作業として、遺跡整備の現状を把握するための踏査を実施した。今年度は、8月から9月に実施したアブ・シール南丘陵遺跡第16次調査において、考古学・保存修復学の見地から、アブ・シール地区、サッカラ地区、ダハシュール地区を中心に踏査を実施した。この踏査によって来年度以降の調査の方針が策定された。2008年2月のダハシュール北遺跡第13次調査では、エコ・ツーリズムの観点から観光学の専門家、メンフィス・ネクロポリスの遺跡の地質の現状を認識する上で地質学、岩盤工学の専門家、そして木製出土遺物の保存修復の専門家などが参加し、メンフィス・ネクロポリスの主要遺跡の視察を行った。 これらの踏査、視察に平行して、遺跡・遺物の将来的な管理、展示、活用を目的として、出土遺物の保存修復作業、材料分析、発掘調査を実施した。なお、以上の成果の一部は、『エジプト学研究別冊』第12号、早稲田大学エジプト学会、2008年3月に掲載されている。
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