研究課題
摂食障害は、拒食症、過食症及び特定不能の摂食障害に分類されるが、90年代後半より若年層を中心に急増している。拒食症と過食症は同一患者で合併することが多く同一の遺伝要因が関与すると考えられている。しかしながら、摂食障害に対する有効な治療法は未開発であり、予後不良の例(6% が死の転帰をとる)も存在することより、摂食障害の病態の解明は重要な課題である。そこで、摂食障害の遺伝要因・病態の解明を目的として、我々が開発した3万個のマイクロサテライトを多型マーカーとして用いたゲノムワイドな相関解析を行った。その結果、これまで11個の100kbに絞り込まれた遺伝子候補領域を見いだした。さらにこれらのなかで4個の領域についてSNPなどの多型マーカーによる相関解析を行い、それぞれ1個ずつ、計4個の感受性遺伝子を同定した。それらは、CNTN5(contactin5;神経軸索の結合に関連する接着蛋白)、SYT12(syanptogamin XII;神経伝達物質の放出に関与)、NET01(neuropilin and tolloid-like receptor;輸送に関わる神経膜蛋白)、PARK7(parkin7;神経細胞死調節)であり、いずれも神経細胞の機能調節に関わると推定され、摂食障害の病態を考えるうえで興味深い。これらのうち、CNTN5ノックアウトマウスについて解析を行ったが、軽微な聴覚障害が認められた。また、マウスをENU突然変異処理により、SYT12遺伝子についてはアミノ酸置換を伴う4種類のノックインマウス、及びNET01についてはアミノ酸置換を伴う1種類のノックインマウスが作成された。これらについての摂食障害と関連する表現型の同定と解析は今後の課題である。また、バイオインフォマティクスを用いたネットワーク解析やプロテオミクスにより、疾患発症カスケードを解明し、摂食障害の治療・予防方策の基盤を構築することも目指す。
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