研究課題/領域番号 |
19101009
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高林 純示 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (10197197)
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研究分担者 |
松井 健二 山口大学, 医学系研究科, 教授 (90199729)
松田 一彦 近畿大学, 農学部, 教授 (00199796)
五味 剣二 香川大学, 農学部, 助教 (50511549)
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キーワード | 植物間コミュニケーション / 受容機構 / シロイヌナズナ / 緑のかおり / トマト / 配糖体 / ピレトリン / ヘキセノール |
研究概要 |
トマトで見いだされたヘキセニル配糖体の構造を確定した。更に得られたヘキセニル配糖体がハスモンヨトウ成長を阻害することを見いだし、受容した揮発性化合物の取り込み、変換が植物間コミュニケーションの一翼を担っていることが明らかとなった。当該成果は、繰り越し分を用いて平成23年度香港で開催された学会で発表した(the 4^<th> Asian Symposium on Plant Lipids at the University of HongKong(Dec.2011)。 天敵を誘引する植物の中で、正直はシグナルを出す植物と不正直なシグンルを出す植物があることを認め、それぞれをHonest Signaling,Cry Wolf Signalingと命名した。生物間相互作用の基盤的な知見と言える。 除虫菊幼苗から傷害誘導的に生じる主要な揮発性分子を同定するとともに濃度を定量した。そこで傷害誘導性揮発性分子のブレンドを調製し、未傷害の除虫菊幼苗に気体として処理した結果、ピレトリン量および生合成関連遺伝子群の発現量が有意に増加した。この現象は、気体分子のブレンドを除虫菊から放出される濃度で調製したときにのみ見られ、ブレンドからひとつでも化合物を欠損させると観察されなくなったことから、傷害を受けた除虫菊と無傷の除虫菊との間の揮発性分子を介した会話は、特有の比率で分子を混合したときにだけ成立することが明らかとなった。 誘導抵抗性の詳細な分子機構の解析の結果、セジロウンカ加害を受けたイネは、病害抵抗性関連遺伝子の発現誘導の他に、多くのテルペン系揮発性物質を蓄積していることが明らかとなった。それらを解析した結果、モノテルペン系揮発性物質だけでなく、セスキテルペン系揮発性物質も多く蓄積していることが明らかとなった。
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