研究課題/領域番号 |
19102002
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
遠山 一郎 愛知県立大学, 文学部, 教授 (80132174)
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研究分担者 |
丸山 裕美子 愛知県立大学, 文学部, 教授 (00315863)
中根 千絵 愛知県立大学, 文学部, 准教授 (80326131)
下村 信博 愛知県立大学, 文学部, 非常勤講師 (90444950)
山村 亜希 愛知県立大学, 文学部, 准教授 (50335212)
宮崎 真素美 愛知県立大学, 文学部, 教授 (50249281)
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キーワード | 国文学 / 国語学 / 日本史 / 言語表現 / 戦争 |
研究概要 |
この研究企画の始めにあたり、佐々木雄太(研究協力者、愛知県立大学学長)が二つの講演「イギリスの戦争と戦争の記憶」「ワーテルローとイギリスの愛国主義」を愛知県立大学と長久手町文化の家とでおこなった。この2つの講演によって、この研究企画の主題にヨーロッパヘの広がりを持たせつつ、この研究企画と地域との連携をはかった。さらに、丸山裕美子(研究分担者)の論文「日唐令の復元・比較研究の新地平」が東アジアへの広がりをこの研究企画に取り入れ、佐々木の講演とあいまち、東アジアからヨーロッパに広がる研究対象の視野を定めた。松尾葦江(研究協力者)の講演「平家物語研究の透明度」は軍記物語の代表的作品の研究の現状を取り上げ、この企画の中心1つである中世軍記物語研究への導入を果たした。壬申の乱を経て集権体制を整えた日本の朝廷の作り出した神話と中国の考えかたの取り入れであった8世紀の「名」の意識とがともに近代にまで影を投げかけたことを、遠山一郎(研究代表者)"The Influence of the Ancient Japanese Court Myths"と「名を立てる考えかた」とが探り、久富木原玲(研究協力者)「薬子の変と平安文学」が未発に終わった乱と平安文学との関わりに解明を加えた。宮崎真素美(研究分担者)「戦時下のロマンティシズム」等が1930から40年代戦時下における詩人たちの文学活動を研究、山口俊雄(研究協力者)「石川淳「鸚鵡石」論-典拠『武辺雑談』との比較」は、中世・近世の乱世の作品化について、1960年代半ばの政治的混乱の時期に書かれたことに留意しつつ、過去のいくさへの注視が文学による同時代批評へと道を拓いたことを明らかにした。これらの研究によって、古代から近代に及ぶ文学研究の時代的広がりを持たせた。また、山村亜希(研究分担者)の研究発表「日本中近世における地方城下町の景観」は都市景観の復元研究を通して、いくさの影響の政治的・行政的側面を探求し、この研究企画の広がりのなかの個々の対象の研究を具体的に推し進めた。
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