研究課題/領域番号 |
19103003
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中島 祥好 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (90127267)
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研究分担者 |
上田 和夫 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (80254316)
白石 君男 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (90187518)
鏑木 時彦 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (30325568)
伊藤 裕之 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (40243977)
佐々木 隆之 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (20158926)
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キーワード | 音声言語 / 知覚体制化 / 聴覚の文法 / 聴覚コミュニケーション / 音声情報処理 |
研究概要 |
日本語、英語、ドイツ語、フランス語などの言語について、音声信号を帯域分割して、帯域ごとのパワー変化を多変量解析にかけることで、言語間に共通する因子が存在することを確認した。このことを本計画によって得られた知見の中心に位置付け、国内外で体系的に紹介した。日本語、英語のリズムについて、このような因子の一つに注目し、因子得点の時間変化を分析した。その結果、英語において、0.4~0.7秒程度の周期性が、日本語の場合よりも顕著に見られ、いわゆる強勢をに準にした時間的規則性を反映していることが示唆された。次にこのような両言語のリズムの違いが、音声発遠のどの時期に現れるのかに注、目し、日本、米国、オーストラリアにおいて、日本語あるいは英語を母語とする月齢20箇月くらいまでの乳幼児の日常場面での音声の録音を依頼し、録音された音声を分析した。その結果、両言語のリズムの違いが、月齢15箇月の幼児における喃語(これは成人には言語として聴きとり難い)においても現れていることを確認した。さらに、さまざまな言語において「音節」がどのように産出されているのかを知るために、上記のような因子分析をイギリス英語の音素に対応付け、一方では日本語、中国語、韓国語における破裂子音の調音運動を観測し、分析した。このような研究に関連する子音強調の技術を特許化できた。「音の始まり」「音の終わり」がどのような仕組みによって、知覚的に検出されているのかについて、聴覚実験を行い、臨界帯域、聴覚フィルターなどの、聴覚末梢に関する従来のモデルでは扱えない面のあることを確認した。時間的規則性についても、知覚実験を行い、関連する脳科学上のデータを再分析することによって、知覚心理学と脳科学との統合を図っている。視覚短期記憶課題に対して、無関連な母語と非母語の雑音駆動音声がおよぼす妨害効果について、ドイツの大学との共同研究を実施した。
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