研究課題
平成23年度は平成22年度末までにT2K実験で観測されたニュートリノの解析を行った。特に本研究の最大の目標であるミューニュートリノから電子ニュートリノへの振動の解析を精力的に行った。その結果、電子ニュートリノ事象が6例スーパーカミオカンデで観測された。一方、もともとのビーム中に含まれる電子ニュートリノや中性カレントのバックグラウンド事象の合計は1.5事象、またその系統誤差は±0.3と見積もられ、ミューニュートリノから電子ニュートリノへの振動の証拠を得た。この結果、唯一未発見であった第3の振動角(θ_<13>)は比較的大きいということがわかった。この結果を論文としてまとめ、公表した。(なお、この結果はその後原子炉を用いた実験で確認された。)また、同じくT2K実験のデータを用いて、ミューニュートリノがどれだけニュートリノ振動で消えるかという解析も行い、今までの実験と矛盾ない結果を得て、論文として公表した。それとともに、ニュートリノビーム軸の中心付近での1GeV以下のニュートリノを測定して、ビームの理解を進める装置については、平成23年度の春から夏にかけて柏で装置を組み上げ様々な試験を行い、秋に予定通りJ-PARCのニュートリノ実験室に搬入した。その後宇宙線を使って総合的な装置の試験を進めニュートリノのビームを待った。そして平成24年3月にJ-PARCのニュートリノビームが本格的に地震から復活すると同時に本装置もデータの所得を開始し、解析も開始した。
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Phys. Rev. D
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http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/index_res.html