研究課題/領域番号 |
19104006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 勝彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 名誉教授 (00111914)
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研究分担者 |
橋本 正章 九州大学, 理学研究院, 教授 (20228422)
鈴木 英之 東京理科大学, 理工学部, 教授 (90211987)
山田 章一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80251403)
長滝 重博 京都大学, 基礎物理学研究所, 准教授 (60359643)
固武 慶 国立天文台, 理論研究部, 助教 (20435506)
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キーワード | 超新星 / ガンマ線バースト / ニュートリノ / 重力波 / マグネター / 中性子星 / 原子核物理 / 元素合成 |
研究概要 |
以下、当該年度で得られた成果のハイライトをまとめる。 (1)重力崩壊型超新星の爆発後の長時間ダイナミクスを、核反応まで首尾一貫した状態方程式を考慮し、1次元および2次元のシミュレーションで調べた。結果、衝撃波復活のタイミングが適切な時のみ、観測されているような爆発エネルギーとニッケルの合成量を得られることが分かった。また、実験の原子核データと質量公式を組み合わせ、パスタ相の存在を加味し、統計平衡にある多数の原子核の分布を考慮した新しい状態方程式テーブルを作成した(山田、鈴木)。 (2)後期恒星進化に決定的に影響を与えるtriple-α核反応率に2009年、劇的な変更が理論的に示唆された。そこでその影響をつぶさに調べ、ヘリウム降着白色倭星においてはla型超新星にシナリオが大幅に変更されうること、ヘリウム降着中性子星では新しい反応率は観測とほぼ合致すること、ヘリウムコアでのs-過程元素合成では炭素燃焼の反応率に変更がなければ結果的に従来とあまり変わらないこと等を明らかにすることができた(橋本)。 (3)世界に先駆けて空間3次元位相空間1次元のニュートリノ輸送コードを開発した。京コンピューターを利用してそのコードによる大規模数値実験を行い、軽い親星において停滞した衝撃波が復活することを初めて示した。また3次元計算をすることで今まで2次元軸対称行われてきた計算とは対流の発達の様子が質的に異なることを指摘できた(固武、滝脇、佐藤)。 (4}重力崩壊の結果、高速回転しているブラックホールが中心に形成されたと仮定し、ブラックホールの回転エネルギーがBlandford-Znajek過程によってどの程度引き抜けるのか、またその引き抜きによってガンマ線バーストジェットは形成出来るのかということを数値シミュレーションによって検証した。その結果、より高速回転するブラックホール程、より強力なジェットを噴出することが示された(長滝)。
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