研究課題
1.単一スピンの量子コヒーレンス(1)傾斜磁場を利用した新型量子ビット:昨年度の継続として、磁石設計を最適化した試料を作成し、従来の3倍の局所磁場、それを利用したz回転ゲートを実現した。まだ忠実度に問題があり、さらなる改良を進めている。また、多ビット化にむけて3重、4重量量子ドットを作成し、制御性よく電子状態を変えられることを確認した。、4重ドットは初めての実験例である。(2)核スピン制御:ポンプ&プローブ法による核スピン-電子スピン結合の理論検討を継続し、実験で確認されていながら理解できていなかった重要な問題、核スピン偏極の閾値的動作と不規則な振動構造の要因、を説明することができた。また、核スピンの影響の抑圧に関して、従来の提案は実現が難しいことが分かってきた。今回、新たに、核スピンランダウーゼナー効果を利用した新しい抑圧方法の検討を開始した。2.近藤コヒーレンスと超伝導・強磁性との競合(1)InAs量子ドットにおけるスピン軌道相互作用(SOI):g因子の三次元的異方性と電場制御を明らかにし、gテンソル変調による電子コヒーレントスピン操作の可能性を示した。(2)超伝導電流と近藤効果の相関:超伝導と近藤効果の新たな相関を見出すため転移温度が高いNb電極を有するInAsドットジョセフソン接合の作製法をほぼ確立した。今後の発展課題である。3.観測による量子コヒーレンスの破れ(1)電荷コヒーレンスの制御干渉計のコヒーレンス長が、可視度によらないことを確認した。また、結合量子細線の干渉計に表面弾性波を組み合わせるための測定計のセットアップを完了させた。(2)スピンコヒーレンスの制御干渉計に埋め込んだ量子ドットを近藤不純物に見立て、散乱される電子が得る位相を精密に評価した。また、スピン散乱によって干渉計のコヒーレンスが変調される様子を確認した。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件) 学会発表 (67件)
PHYSICAL REVIEW B
巻: 85 ページ: 081301 1-6
10.1103/PhysRevB.85.081301
巻: 85 ページ: 041308 1-5
10.1103/PhysRevB.85.041308
APPLIED PHYSICS LETTERS
巻: 100 ページ: 033113 1-4
10.1063/1.3676441
NATURE NANOTECHNOLOGY
巻: 6 ページ: 511-516
10.1038/NNANO.2011.103
巻: 84 ページ: 201303 1-4
10.1103/PhysRevB.84.201303
PHYSICAL REVIEW LETTERS
巻: 107 ページ: 146801 1-13
10.1103/PhysRevLett.107.146801
巻: 84 ページ: 041302 1-5
10.1103/PhysRevB.84.041302
巻: 83 ページ: 241301 1-5
10.1103/PhysRevB.83.241301
SEMICONDUCTOR SCIENCE AND TECHNOLOGY
巻: 26 ページ: 055004 1-3
10.1088/0268-1242/26/5/055004
巻: 83 ページ: 205304 1-18
10.1103/PhysRevB.83.205304
巻: 106 ページ: 146804 1-4
10.1103/PhysRevLett.106.146804