研究分担者 |
ファン ハロルド 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (30361611)
花栗 哲郎 独立行政法人理化学研究所, 高木磁性研究室, 専任研究員 (40251326)
松野 丈夫 独立行政法人理化学研究所, 高木磁性研究室, 専任研究員 (00443028)
高山 知弘 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (40435657)
井上 公 独立行政法人理化学研究所, 強相関電子技術センター, 主任研究員 (00356502)
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研究概要 |
本研究では,近年急速に開発が進んでいる酸化物電界誘起相変化デバイス-酸化物トランジスタや不揮発性抵抗変化メモリー-の背景にある基礎学理の解明および酸化物デバイスの特長を体現する新規物性の開拓を目的とする。初年度は,酸化物トランジスタ,電界誘起抵抗変化デバイスの作製,評価システムの構築およびその特性評価を行った。以下に具体的な研究成果を記す。 1.酸化物トランジスタの構築,極低温物性評価 酸化物トランジスタ作製に必要なシステムを導入し,デバイスの歩留まり向上に努めた。作製したSrTio_3トランジスタデバイスのうち,高いキャリア移動度を示すものは極低温実験に持ち込み,酸化物界面上に誘起された二次元電子系の電界誘起金属一絶縁体転移の実現に成功した。さらに極低温において超伝導転移の兆候が見られることを確認した。 2.の属/遷移金属酸化物/金属プレーナ型デバイス構造の作製,評価 これまでの研究から遷移金属酸化物の抵抗スイッチング現象において,その起源が酸化物中に形成される導電性フィラメントパスであることが実験的に示唆されてきた。本研究では,プレーナ型のCuO抵抗変化デバイスを作製し,その上に微細加工により電界集中型の電極パターンを構築することで導電性パスの位置制御に成功した。それに伴い,微細加工によって抵抗スイッチングの電圧,電流が大幅に低減できることを示した。また,光電子顕微鏡,局所X線分析を行うことでデバイス上に形成された導電性パスが強く還元されたCuOから成る事を明らかにした。
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