研究概要 |
NECESSArrayとは,NorthEast China Extended SeiSmic Arrayの頭文字などから作った中国東北部における大規模機動的地震観測網の略称である.本観測計画は,日中米の国際共同観測として準備期間を含め2007年夏から5年間の予定で行われる.NECESSArrayの観測点は,観測点数計260点,観測点間隔く100km,差渡し1000kmをこえる,かつて例をみない巨大で稠密な広帯域地震計アレイである, 本計画では当面,(1)中国大陸の形成・火成活動とダイナミクス,(2)中国大陸下に滞留している沈み込んだ海洋プレート(スクグナントスラブ)のダイナミクスの解明,(3)マントル最深部(CMB)および地球中心核の構造解明の3テーマを目的として掲げる.この目的(特に(1)(2))を達成するために,観測網下の地殻・マントルの(深さ約800kmまで)地震波速度および減衰率の詳細な3次元構造のマッピングを以下の様々な地震学的解析手法を駆使し集中的におこなう.また異なった手法から得られる情報を統合して,中国東北部の地殻・マントルの構造モデルを提出し,温度・化学分布,ダイナミクスにまで制約を与えることを目指す. 初年度の平成19年度は,観測のため以下の準備を行った: (1)日中米共同研究打ち合わせ 7月に北京・長春で日中米の研究代表者・実務リーダが集まり共同観測・研究の調整をはかった.観測点仕様などの検討を行った. (2)観測準備・機材整備 広帯域地震観測装置購入,観測点設置の仕様決定,寒冷地での機動観測に伴う困難の洗い出し,輸送用ケースの準備,安定電源の仕様決定,など次年度の観測開始に向けて整備を行った. (3)観測点展開のロジスティクスの検討 (4)データ解析法・ダイナミクスモデルの検討・開発
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