研究課題
高度好熱菌由来電子伝達タンパク質、シトクロムc_<552>の軸配位子の一つであるMet69をアラニンに置換してヘム鉄上に基質反応部位を設け、一般酸塩基触媒部位として、ヘム鉄の上方のVa149をアスパラギン酸に置換すると、20-70℃の温度範囲で機能する耐熱性ペルオキシダーゼとなることを明らかとしてきた。さらに、この変異体を基盤とする耐熱性ヘムオキシゲナーゼをシトクロムc_<552>に対する変異導入で作成することが可能であることを見出している。過酸化水素駆動型のシトクロムP450に関しては、シトクロムP450_<spα>の結晶構造解析に成功すると共に、デコイ分子としてイブプロフェンを内包するシトクロムP450_<spα>の結晶構造解析にも成功した。また、シトクロムP450_<BSβ>のヘム近傍のカルボキシル基が結合する位置付近に、ミューテンションによりグルタミン酸を導入すると、デコイ分子を加えなくとも非天然基質の酸化反応が進行することを見出した。さらに、同様の変異をシトクロムP450_<spα>に適用するとさらに高い活性を示す自己完結型の過酸化水素駆動型シトクロムP450を構築できることが明らかとなっている。カルボキシル基を有する基質に対する認識能をミオグロビンミュータントへ賦与するために、基質認識部位としてアルギニンをヘムの入り口付近に導入したアルギニンミュータントを作成した。このミュータントが、カルボキシル基を有する基質である(S)-ナプロキセンの芳香環水酸化反応に対して高い活性を示し、さらに基質のキラリティーを認識して、(S)-ナプロキセンを選択的に水酸化することを明らかとした。
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