研究課題
基盤研究(S)
有機デバイスに内在する諸種の有機界面の構造と電子構造を、さまざまな表面科学的手法を駆使する事により、総合的、かつ精緻に解明する。単結晶表面上に吸着した高配向有機薄膜のような良く規定された「理想界面」から、実デバイスに即した様々な有機界面までを取り扱い、基礎から応用まで一貫した有機界面の理解を目指す。具体的には、以下の5つの主題について取り組む。(1)高秩序試料を用いた界面電子構造の精密解明:角度分解光電子分光(ARUPS)と有機試料用逆光電子分光(IPES)を併せ、高配向有機薄膜などの高秩序試料を有機デバイスに内在する有機/電極界面のモデル系として捉え、その占有、非占有電子構造の精密解明を行う。(2)実デバイス関連界面に対する気体効果の検証:界面電子構造などの基礎研究による成果を実デバイス特性の理解に活かすため、デバイスの駆動環境における気体が有機界面の構造や電子構造へどのように影響するかを解明する。(3)ドーピングや界面修飾による界面の構造・電子構造制御:有機半導体薄膜に対する優れたドーパントや界面修飾分子を探索・開発し、電気特性の測定と併せて優れた界面制御法の創成を目指す。(4)新しい界面への展開:これまで研究分野の主流であった有機/金属界面、有機/有機界面に加え、本研究では有機/無機物質界面や、重要性に比して研究が十分でない導電性高分子界面を研究する。これらは学術的に興味深く、新しい界面制御の方法や機能の創成につながると期待される。(5)有機界面に適した新手法の開発と新情報:任意雰囲気中で測定可能である光電子収量法(PYS)、非占有電子構造の情報が直接得られるIPESなどの新手法を積極的に活用して界面に関する新たな情報を得る。一方で、手法自体のさらなる高度化も目指す。また、顕微的手法も用い、有機膜の成長モードのその場観察、蒸着膜での電子構造の場所による不均一性などの情報を得る。
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