研究概要 |
申請者は、微細構造を有する光学素子をハンコを押すように生産する方法を開発することを目標としていた.具体的には,ピッチが可視光波長の半分(たとえば200nm)の凸凹を有する導波路,金属のラインアンドスペースを有する偏光板,そして屈折率の異なる材料が波長程度のピッチで3次元に周期配列された多機能光学素子である.これらの微細構造を大型液晶ディスプレイなどに用いることができれば,明度,偏光,色,視野角などを調整する複数枚のシート群を代替できる. 諸機能を融合した光学素子を製造するために,積層微細構造を広範囲一括で金型転写する技術の開発が,本研究の目的である.具体的には,広範囲一括で転写するためにロール形やブローチ形の金型を設計する.または,積層微細構造を転写するために,成膜プレス反復機構やせん断変形機構を設計して,それぞれの転写工程を実現することである.また,一般的な転写の基礎技術も深耕することも必要である.広範囲に転写可能な新たな金型材料の開発が不可避であり,たとえばロール形には隙間変動を吸収する弾性材料のゴム金型が必要である.最後に光学計算を行い,要求される形状の金型設計を行う.
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